iPhoneユーザーになって8ヶ月が過ぎた。携帯電話のユーザーになったわけだが、依然としてコンベンショナルなケータイのことは分からず仕舞いだ。私のiPhoneの使い方と感想を、出来るだけ正直に書きたいと思う。

私はこの頃iPhoneと寝ている。私の寝床は子ども部屋の二段ベッドの下の段である。ベッドの横にテーブルタップを引っ張って、iPhoneのUSB電源アダプタを差し込んでDockコネクタUSBケーブルを繋いでいる。我が家にはパソコン二台に壊れているものも含めてiPodが4つあるから、Dockコネクタ付きのケーブルは余分がある。床に入る前に最新のPodCastをアップデートして、そのままベッドにイヤホン付きのiPhoneを持ち込む。充電を兼ねて枕元に置きPodCastを聴きながら、何かネタがあるときはウエブ日記に書き込む。早起きの必要があるときは、iPhoneを目覚まし代わりに使う。iPhoneの「時計」アプリの目覚ましはかなり強力である。起きる気があるときは目が覚める。バイブレーションと「アラーム」という非常警報サイレンのような音が鳴る。

目が覚めたら、iPhoneを持って居間に降り、朝食を済ませる。我が家の朝食は伝統的に簡素である。朝食を取りながら、「カレンダー」アプリで一日の予定を確認し、職場のメールアドレスに届いたメールのチェックをする。「カレンダー」の方は、居間に置いてあるiMacのICalと同期させているので、別にiPhoneに拘る必要はないが、食卓でトーストを頬張りながら見ることができる。

さて、そのあと職場に出掛けるわけだが、私は天気が良い日はバイクを利用する。およそ30分余りの道のりである。私はバイクにまたがるときには常にライディング向けの服装をする。今は冬場なので、レザーのパンツとジャケット、ロングブーツという出で立ちで、財布と鍵束はウエストバッグに入れる。ウエストバッグのベルトに付いている携帯電話用のケースにイヤホンを巻き付けたiPhoneを押し込む。

雨の予報が出ていたり、ネクタイを着用の日は電車を利用する。ドアツードアで65分ほど。我が家から最寄り駅まで早足で10分ほど。各駅停車に乗って、途中急行に乗り換え、三宮で駅構内を少し歩いてポートライナーというモノレールのような小さな電車に乗り換える。ポートライナー駅から職場まで早足10分程度である。家を出るときに、PodCastをスタートさせ、iPhoneを胸ポケットに入れ,イヤホンを耳に突っ込む。私はアップル純正の白いイヤホンが全く耳の形に合わないので、耳栓型のソニーのイヤホンに交換している。イヤホンのケーブルは60センチで実に微妙な長さである。電車に乗ったら、Safariを起動するか、iVBookで夏目漱石を読む。私は漱石が好きだ。iVBookは有料の電子書籍アプリケーションである。電車が三宮に近づいて地下に入るとSoftbank3Gの圏外となるから、電子書籍アプリの出番である。この間もイヤホンは耳に入っていて、PodCastは流れ続けている。大抵は左手にiPhoneを持って、電子文庫本を読む60センチのイヤホンケーブルは絶妙の長さである。

職場にはLANが完備されている。自室に入るとカバンからMacBookProを取り出す。自分のデスクの裏側にコンセントがあり、普段は有線で接続しているが、無線LANも利用可能だ。常時接続の環境だから、少なくとも居室ではiPhoneをほとんど使わない。ちょっと職場のLAN経由でアクセスするには気が引けるようなウエブページを見つけたときに使う程度だ。プライベートな用件で電話やメールのやり取りが必要な場合にはiPhoneの出番である。私の職場には公衆電話が無いし、デスクの内線からのゼロ発信は用件にかかわらず後日請求される。必要な場合にはiPhoneは電話としての本領を発揮する。会議などで居室を離れているとき、iPhoneはあらゆる役をこなしてくれる。メールのチェックや、情報の収集など。但し、ケータイをいじっていて良いのかどうか、あるいは、iPhone経由で得られる情報が本当に役に立つかどうか、その場の雰囲気は十分に意識する必要がある。インターネット経由で得られる情報もあるし、電子辞書として役に立つ場合もあるだろう。居室の外で単調な作業を強いられるようなケースでは、ポケットに入れて歩いて、イヤホンでPodCastを聴いている。あと、居室で誰かの電話連絡を待っているような場合、内線電話に加えてケータイの都合2回線分利用できることが有効となることがある。

仕事が終わったらiPhoneから妻にメールを送る。大抵はタイトルのみで本文のないメールである。バイクの場合はウエストバッグのケータイケースに突っ込んでいるし、電車を利用する場合はPodCastを聴きながら、漱石を読むか、産経新聞を見るか、Safariを使うか。もしくはウエブ日記に入力するか。選択肢は、その日一日に興味を持つ話題があるかどうかによる。家に帰り着いたら、寝床に入るまでiPhoneは余り役に立っていない。寝る前にMacBookProに繋いで、iTunesから最新のPodCastを転送するくらい。というか、帰宅が遅いので、家族と一緒に食事が摂れないことが多い。風呂もひとりで入る。妻から一日の出来事を聞いて、色々と世間話をして、週末の予定について話し合って、そうして過ごしていると、iPhoneの入り込む余地はあまりない。

そして私はiPhoneにイヤホンを突っ込んでベッドに入り、振り出しに戻る。イヤホンを差し込んだまま眠ることが多いのだが、自分が意外に寝相が良いことを知った。

こうして、平日のiPhoneの使い方を改めて考えると、実は、あんまり役に立っていないと思う。まぁ、無くても良いというか、携帯電話が役に立つケースもままあるのだが、毎月のコストとの兼ね合いを考えると、私は今のところ十分に元が取れていないと思う。少なくとも、職場には無線LANが完備されていることを思うと、iPod touchで95%の作業は事足りるのではないかと思うわけだ。今でも私は余り電話を使わない。携帯電話など無くても生きていけるという気持ちには変わりない。便利と感じるシチュエーションは時々ある。職場を離れると、無線LANから外れてしまう。日本中にケータイの電波が張りめぐらされているのに、無線LANが流行らないのは何故だろう。セキュリティ上の問題なのか。あるいはビジネスとして考えた場合に、LANは課金しにくいのだろうか。ケータイ並に無線LANが充実したら世の中は変わるのではないかと想像する。少なくとも、LANがあれば、IP電話やSkypeのような手段が取れるわけだ。

次はもう少し具体的な活用を話題にしようと思う。

分類
iPhone
URL
http://www.oyakonews.com/oyanews/homep/HP2009/HP090403.html