例の講習会が進行中である。講習会そのものは月曜日の朝から。従って、日曜日の夜は資料を見直して話す項目を確認するような作業に追われる。配布用の資料は木曜日のうちに完成させるので、週末にちょっときが抜けるが、あまり良いことではない。気分的に落ち着かず妻とゆっくりと話をする余裕がない。妻は毎日の出来事をメールにして送ってくれる。

この講習会のプレゼンテーションがらみの話をいくつか追加する。先ず、Keynoteのおそらくバグと思われる妙な挙動。せっせと作り続けて、少しスキルがつけばよいが、余り工夫している暇もない。講習会の内容に分子の構造などが出てくる。私は構造式を描くための専用のソフトウエア、CS ChemDrawを使っている。輸入販売元はHULINKSで、ウエブを調べたら、ver. 11が出ている。私が使っているのはver10のstandardだ。この分野では有名なソフトである。

ChemDrawで作成した構造式を選択してコピーアンドペーストでKeynoteに直接貼り付けることが出来る。ドローデータとして扱われるので、拡大・縮小も思いのままだ。しかしながら、Keynote上でドラグがうまく行かない。出来ないわけではないが、カーソルで線画を選択するのが難しいのだ。太い線であればさほどの困難はないのだが、細い線をカーソルで選択するのはかなり細やかな作業が要求され、イライラさせられる。これはちょっと非実用的なバグだと思う。

Keynoteで作成したプレゼンテーションを受講者に配布する手段は大きく分けて2つある。pdf、pptなど、比較的互換性の高い形式に書き出して、デジタルファイルとしてウエブ上に公開、若しくはCDなどのメディアに焼いて提供する。もう一つの方法は、印刷して配ること。デジタルファイルの提供は間違いを含んでいた時に厄介だ。印刷資料なら、間違いの箇所を指摘して赤ペンで直させればよいが、デジタルファイルではそうは行かない。私は印刷してわたしている。

Keynoteの印刷ダイアログには、印刷方法として

  1. 個別のスライド(原則一ページに一コマ)
  2. ノートがついたスライド
  3. アウトライン(アウトラインのテキストのみ印刷)
  4. 配布資料(一ページあたりのコマ数を指定できる)

の4つが用意されており、ラジオボタンで選ぶ。講習会一回(一コマ分と表現する)で概ね30コマ程度のプレゼンテーションになる。なるべく紙の枚数を節約しつつ見易い資料とする方法は「個別のスライド」を選んで、プリンタドライバのレイアウト設定でA4一枚に4コマ印刷する設定にする。これをpdf形式で保存し、メールの添付で事務担当者に送る。二ページ分をまとめてA3用紙一枚に8コマを印刷するのが現実的な線だ。これよりもコマ数を増やすと、細かすぎて読み取れなくなる。

また、印刷のオプションメニューから必ずチェックすべきは、

一方、チェックしてはいけないのは、

「高解像度3Dグラフをプリント」もチェックしてあるが、意味が良くわからない。配布はモノクロ印刷が原則なので、資料を作成する時に印刷時の色遣いを意識する。アップル製の「テーマ」の中で、私が気に入っているのは「インダストリアル」と「黒板」である。ともに黒背景で白い文字となる。ChemDrawの構造式も黒で描くとプレゼンテーション時に背景とかぶって見えなくなる。ところが、白線で描くと「塗りつぶしを印刷しない設定」では黒背景が白く抜けて、白文字は自動的に黒文字に置き換えられる。表の枠線も画面上は白だが、印刷時には黒で表示される。どうせなら、ペーストした線画も画面上白でも印刷時は黒に置き換えてくれれば良さそうなものだが、そうはならないので、白地に白の線画、つまり何も写らない状況となる。これもバグと云って良いかも知れない。

やむを得ず、私が編み出した方法は、線画を貼り付けるためにグレーを背景のマスターを作ること。白文字と黒線画の双方をプロジェクタとモノクロ印刷イメージの両方で実現することが出来る。

グレーの背景のマスターを作る方法は以下の通り。

  1. マスターを表示して、インスペクタ>スライド>アピアランス、と選んで「背景」の設定画面。
  2. ここで「イメージ塗りつぶし」をプルダウンメニューから「半透明塗りつぶし」とする。
  3. 背景は白い文字、黒い線画の表示に耐えうるグレーになるはず。

と云うわけで結構面倒なことをやっている。こうしてまとめてみると、Keynoteはドローデータの扱いに色々と問題があると云うことが見えてくる。それから、パワーポイントも同様だが、マスタースライドの作り方はちょっと難しい。

そういえば、ChemDraw Std 11.0教育アップグレードは1ライセンスにつき23100円。とのこと。

分類
プレゼンテーション
URL
http://www.oyakonews.com/oyanews/homep/HP2007/HP071204.html