新しい職場の同僚が白いMacBookを手に入れた。MacBookを買うなら一番安いやつ。HDDやメモリの増設は自分でやるのがお薦めだが、職場のお金で買ってもらうと後日パーツを手に入れるのが色々と面倒である。結局、かなり割高になるがHDD250GBにメモリ4GBのフル装備を発注し、この度ようやく届いた。

彼女は今まで、最も初期のAGPグラフィックG4に飯山の19インチCRTモニタを繋いで使っていた。他所で内蔵HDDが故障し埃を被っていたものを借り受けて、HDDを新調して使っていた。OSは10.4だ。事務机の上にCRTモニタ、机の下にグラファイトG4で、随分とスペースを塞ぐ割にゆっくりと動くパソコンだ。

マックブックが届いたので環境移行のお手伝いをした。直近では昨年の8月に経験している。この時はPowerBookG4からMacBookProへの環境移行だった。それ以外にも、パソコンの内蔵HDDを入れ替える都度、環境移行はやった。新しいOSに改めてソフトをインストールしたり、パスワードを設定したり、メールやお気に入りなどのデータを移すのはかなりの手間である。OSに全てお任せするのは大変意義がある。原理としては、古い方を外付けドライブとして認識させ、ファイアワイヤケーブルで繋いで新しいパソコンに必要なファイルを読み込む。ただそれだけで、古い方のパソコンでやっていたことを概ねそのまま引き継ぐことが出来る。移行アシスタント画面

必要なものは両端が6ピンのFirewireケーブルだ。新しいパソコンを立ち上げると「既にマックをお持ちですか」という例のウインドウが現れるので、古いパソコンとケーブルで繋いで、古い方のパソコンをTを押しつつ再起動すると、古い方のモニタにFirewireのアイコンが表示され、内蔵HDDを外付けドライブのように扱える。それから吸い上げるデータのカテゴリを指定して、しばらく待てばよい、という手順。簡単で楽そうだが、、、

実際にやってみると、うまく行かない。ターゲットモードの表示が出て、新しい方のパソコンが古い方のパソコンのHDDを読みに行くのだが、どうも戸惑っているようだ。しばらく待たせた挙げ句、「OSXが見つからない」と言い出す。試しに、私のMacBookProとターゲットモードのPowerMacG4を繋いで見ると、FWHDDのアイコンが出て、マウントされるものの、ドライブが空っぽとの表示だ。ディスクユーティリティでチェックしてみたが同じこと。不可解な気分で、一旦接続を解除し、古い方の内蔵HDDから起動してシステムディスクの情報を見ると容量128GBで11GB使用中と出た。随分データが少ない。128GBも少々不可解だ。たしか、250GBのATAドライブを入れた筈だが。

古いAGP/PowerMacG4は元々20GB程度の内蔵HDD入っていたが、壊れて250GBに入れ替えている。内蔵ドライブ128GBというのは、ATAインターフェイスがBigDriveに対応していないということだ。ターゲットモードがうまく行かないのは、それが理由かも知れない。「にっちもさっちも」行かず、その日は諦めた。ちょいと「ターゲットモード」「BigDrive対応」などで検索してみたが、参考になるような記事を見つけられなかった。

翌日、自宅にあったFW-USB2.0デュアルインターフェイスの250GB外付けドライブを職場に持参し。2つの方法を提示した。つまり、

  1. ディスクユーティリティの「復元」コマンドでPowerMacG4の128GBシステムディスクのコピーを外付けFWHDDに作り、外付けドライブからMacBookのデータ吸い上げを外付けドライブからおこなう。
  2. 持参したFW外付けドライブを外付けケースとして活用し、内蔵ドライブをケースに入れて外付けとしてデータ吸い上げに使う。

要するに、BigDrive非対応のPowerMacのATAインターフェイスと移行アシスタントの互換性に問題があるターゲットモードにはBigDrive非対応のPowerMacのATAインターフェイスに対する対応にバグがあるために移行アシスタントの互換性に問題が生じたという判断である。最初の方法をとった場合「復元」の時間が余分に掛かるが、より確実で安全と思う。結局、OSX 10.4.3のインストールDVDからPowerMacG4を起動させ、ディスクユーティリティから内蔵HDDを外付けHDDに復元。復元したHDDをMacBookにFW接続してデータの移行を行ったところ、問題なくスムーズに事が運んだ。

こういう一歩目でトラブルを起こすと、普通のユーザーにはまず対処できないし、やっぱりマックはダメだなぁ、と思われるに違いない。同僚はMacユーザーで、トラブルにも忍耐強く取り組む方であるが、新しいパソコンの使い始めはどうも気が重いという。そりゃそうだろう。二日目、復元外付けドライブからの環境移行のスムーズさには痛く感心していた。これが本来アップルが意図した使いやすさの筈なのだが、ちょっとした「移行アシスタント」ターゲットモードのバグがユーザーにウンザリ感を植え付けるようだ。私がたまたま幾つかのトラブル解消の手段を知っていて、外付けドライブを用意できたので解決したわけだが、このバグはかなり厄介だから、アップルは対応するべきだと私は強く思う。

分類
Mac
URL
http://www.oyakonews.com/oyanews/homep/HP2008/HP080531.html