さて、基礎英語をiPodに入れる方法の続き。ちょっと間延びしてしまった。

  1. ラジオ受信機の周波数を合わせて放送を受信
  2. それを録音して(デジタル化して)
  3. iTunesに取り込む

数年前に中波放送のデジタル化が話題になっていたと思うけれど、その後どうなったか知らない。何にせよ、基礎英語はNHK第二放送、つまりアナログ中波放送だ。

で、一連の作業を行うにはどうしたらよいか。ワンセグチューナーやらテレビキャプチャボックスなどは各種売り出されている。ラジオとなると、iPodにFMラジオの機能を付加するリモコンが純正で用意されているようだが、中波放送の受信の為の何かは見あたらない。

次に、Macを録音装置として使えるかどうか。家電量販店には今でもラジカセ、ミニコンポの類はある。カセットテープも市販されている。MDをメディアに使う装置も各種あるが、MDにせよカセットテープにせよ、その機械で閉じていて、メディアとパソコンの間を取り持つ部分がよく分からない。SDカードやUSBメモリなど、互換性の高そうな録音メディアを使う機器もいくらかあったがかなり高価だ。こういった機械の主たるユーザーとなるティーンエイジャーたちは、もう既にメディアに音楽などを記録することに興味を失っているのだろう。余り素人が録音する世の中ではなくなっているのかも知れない。数年前に、レンタルの音楽CDをせっせとCD-Rに焼く人をわたしは批判的に書いた覚えがある。それと同時にコピーコントロールCDをこき下ろした覚えがある。CCCDの頃が華だった。もう若者達はディスクを棚に並べようとしない。

随分昔の話になるが、私が初めてMacintoshコンピュータを手に入れたとき、Macintosh Classic II・漢字Takl6にはマイクロフォンが付属していて録音することができた。そう、Macintoshはその頃からアナログ音声入力とデジタル録音がサポートしていた筈だ。

MacBookProにもマイクが内蔵されている。システム環境設定の中で音声は「サウンド」「スピーチ」。サウンドの入力する装置として内蔵マイクとライン入力を選べるが、音声情報をデジタルファイルとして残すことは出来ないようだ。

私が普段使っているソフトウエアの多くが音声を含むファイルを扱うことが出来る。中には録音できるものもある。例えば、私は滅多に使わないけれども、iMovieはビデオの動画と同時に音声もキャプチャ出来る。この場合、アナログからデジタルへの変換はハンディカムがやる。他に、GarageBandは使ったこと無いけれどキャプチャが出来るのではないか。そういえば、PowerPointには「ナレーションの録音」というメニューがある。ちょっとやってみたが、良くわからない。

ラジオ番組の録音はほぼ毎日のことだ。色々と面倒が多いのは困る。出来るだけ簡単が良い。結局私はQuickTimeに頼ることにした。QuickTimePlayerを立ち上げると、「新規オーディオ収録」というメニューがある。登録料3400円を払ってQuickTime Proに格上げすると、録音が出来るようになる。登録コードを手に入れて、システム環境設定のQuickTimeの「登録」欄に入力するとProモードになるはず。QuickTime Playerの環境設定としては、「収録」のところに音源を選ぶ「マイク」という項目があるので、そこは内蔵ライン入力として、ラジオのイヤホン端子からミニジャックで音声信号を入力する。確か、光デジタルオーディオの入力も出来たような記憶があるから。ラジオの方が対応していればデジタル信号でやりとりできるのだろう。他には、録音の音質を選ぶことが出来るので、標準品質(MPEG-4)とした。128kbps AACオーディオとある。ファイルの保管場所も選択できる。あと、システム環境設定の「サウンド」に入力する装置の選択(内蔵マイク or ライン入力)の選択が出来る。さらに、入力音量をプリセットできる。

ついでにラジオにも触れておく。デジタル出力が出来ると良いかも知れないが、イヤホンジャックがあれば間に合う。また、選局や音量の設定がプリセット出来た方が失敗が少なくて良いかも。今回はソニー製の古いポータブルMDステレオを使った。10年以上前の代物で、既にCDとMDは赤ん坊だった息子が壊して使えなかったはず。ライン入力に対応しているので、普段はMacのイヤホン出力をLine inに繋いで、外部スピーカーとして使っていた。音はそこそこ良い。今回は逆向きに使う。時計の設定が出来るから、番組が始まる時間に自動的にスイッチオンさせることも出来るはずだ。Macとの接続はミニプラグどうしの普通のケーブルで行う。パソコンの周囲にラジオを置くとノイズがはいる可能性があるが、外部アンテナ端子があり、家の中でもほとんどノイズなしで受信できる。

ラジオのスイッチを入れて、QuickTime Playerを起動し、ファイルメニューから「新規オーディオ収録」を選ぶとQuickTime Playerのブラウザが開き、赤いボタンをクリックすると録音が始まる。Macの内蔵スピーカーでモニター出来る。録音が終わったら、停止ボタンを押すとファイルは自動的に保存先に指定したフォルダにオーディオ.movファイルとして保存される。概ね1分が1MBの見当である。

内容が分かるようにファインダ上でファイル名を変更し、ライブラリに追加でiTunesに取り込む。iTunesのブラウザで取り込んだファイルを探すのは少々骨が折れる筈なので、ファイル名は予めそれを意識して変更しておくと良い。単純に取り込むと、「不明なアーティスト」の「不明なアルバム」というフォルダに入る。ブラウザで見つけて(ファイル名の検索が楽だろう)「情報をみる」>「情報」でジャンル、アーティスト、アルバムなどを適宜変更してやると、iTunes上でたいへん管理しやすくなる。それを娘がiPodと同期しているプレイリストに勝手に突っ込んでおけば、父親としての責任は果たしたことになる。それにしても、少々煩雑だ。

もう少し簡略化するために、ちょっと考えた。折角パソコンを使っているんだから、もう少し何とかしたい。まず、ラジオだが、時計を設定し、タイマーで定時にスイッチが入るようにしたらよい。少なくとも、今使っている装置はそれが出来る。Macの方は、おそらくAutomatorを使えば、毎週月曜日から金曜日の夜9時半にQuickTime Playerを起動させて15分間「新規オーディオ収録」をおこない、ファイル名を日付の分かる名前に変更する。位のことは出来そうだ。iTunesに取り込むところはちょっと難しそうな感じだ。Automatorでちょっとやってみたが、結局今のところ解決していない。もし詳しい方がこれを読んでくださったら、助けていただけると嬉しい。

グーグルで検索してみると、ラジオをiPodで聴きたいと思う人は他にもいるようだ。日経BP IT Proに記事が出ていた。

ラジオを録音してiPodで聴くために…

この記事の中で解決策として提示されているのは二つ。USB FM/AM RADIOと、ケンウッドの「CR-A7USB」というUSBメモリ、SDカードなどをメディアとして使えるCD付きラジオだ。前者は約7000円。ソフトウエアがマックに対応していない。但し、ウエブページで紹介されているデモはMacBookを使っている。(BootCampでウインドウズを起ち上げているようだ)

ケンウッドの方は、電気店で見かけたが、値段を見て端から除外していた。タダで放送されているNHKのラジオ放送を録音するのに2万円以上も支払うのは馬鹿げている。

と言うわけで、手許にあるラジオとマック。あとはケーブルが一本とQuickTime Proのライセンスに3400円。これだけあればiPodでラジオ基礎英語を聴くことが出来る。ちょっと面倒くさいけれど。

こうして出来たMPEGファイルを誰かが(まぁ私でも良いが)Podcastとして配信したらどうだろう。これはもちろん著作権上の問題がある。YOU TUBEにアップロードされたNHKテレビ番組と同様の末路を辿るに違いない。但し、私は放送リソースの有効活用とか、利害関係とかを勘案すると、そうすることが日本放送協会や、その顧客であるところの受信料を投資している日本国民に不利益をもたらすとは考えにくい。日本放送協会は私のような熱心な支持者の声に耳を傾けるべきで、特に教育テレビや第二放送の貴重な教育リソースは定時のオンエアに拘らず、さまざまなメディアを通して提供するのが協会の役割と思う。多分、NHKはそう言うことに既に気がついていて、いろいろなしがらみが踏み出せない原因なのだろうと推測。一刻も早く始めていただきたいと願う。

分類
雑感
URL
http://www.oyakonews.com/oyanews/homep/HP2008/HP080430.html