ずいぶん以前から計画していたことを、いよいよ実行に移すことになった。
我が家にはアナログビデオテープが数箱分ある。他の家に比べると少ないのではないか。
携帯電話を持っていない話しを何度か書いているが、実は私は長いことVHSビデオテープの再生装置を持っていなかった。ベータマックスを使う歳ではない。8ミリビデオユーザである。私が大学生の頃に、実家で家庭用VHSビデオデッキを購入し、初めて使った。ナショナル製の機械の画質はかなりお粗末なものだった。就職してから暫く、私はテレビのない生活を送っていて、もちろんビデオデッキもなかった。ファミコンも無かったし、レンタルビデオ屋とも縁がなかった。一人暮らしを始めて暫くして、私は思い切ってバッテリ駆動可能なビデオ付きテレビを購入した。Video8Comboという製品。8ミリビデオデッキに小さなカラーモニタ付き。当時、私はオープンカー(シティカブリオレ)のオーナーだった。仕事は忙しかったから、テレビを観るときくらいアパートから出て、外で見たいと思ったのだろう。
実際にカーバッテリのケーブルを繋いで、外で見た記憶がある。最近の車はカーナビゲーションの液晶画面にテレビが映るのが多いが、私は20年近く前に、そういったことを実現していた。もちろん、運転しながらテレビやビデオを見たことはない。Video8Comboが我が家の唯一のテレビ、ビデオという状況は暫く続き、私はテレビ番組のエアチェックに8ミリビデオテープを使うようになった。市販のビデオソフトやレンタルビデオ店を利用する必要がなければ、8ミリフォーマットでもほとんど不都合はない。VHSに比べると、テープが高価だが、画質は十分。録画時間もLPモードで4時間。ハンディカムが普及して以降、テープの入手も楽になった。そういえば、ソニーは一頃8ミリフォーマットのビデオソフトを提供していた筈だが、それらをレンタルショップで見かけた覚えはない。
妻が嫁入り道具にパナソニックのS-VHSビデオデッキを持参してきたが、同時にHi8の据え置き型ビデオデッキも手に入れて、併用した。新婚当時はレンタルビデオ店を時々利用した。子供が生まれて、様々な市販のビデオソフトを利用する機会が増えたが、依然としてエアチェックは8ミリテープを使った。また、ハンディカムによる家族の記録も増えた。
4年前にハンディカムはminiDVに置き換わり、さらに一昨年、とうとうHD/DVDプレーヤーを購入した。それまで結局、我が家でVHSテープが主流を占めることはなく、4台目の8ミリビデオデッキがテレビ録画の主役となっていた。引っ越しにともない、ビデオデッキはオフラインとなっていたが、大量の8ミリフォーマットビデオテープのデジタル化は手つかずの状態で残された。
実は、東芝RDを購入した当初、何本かの8ミリビデオテープをデジタル化してみた。そもそも、それがHD/DVDレコーダー購入の目的のひとつだった。居間のテレビ台の下に、VSH/8mmのダブルデッキと東芝RDとケーブルテレビのチューナーを積み上げて、使い始めた。やってみて、色々と問題点に突き当たり、一気にやる気を失ってしまった。
マックとの親和性が高いと評判の東芝RDは、LANで繋いで、マックからウエブブラウザ経由で録画予約等が出来て、これはなかなか便利。あと、VRXというソフトをインストールすると、LAN上のマックを外付けのHDD代わりに、RDからマックにVOB形式のファイルを移すことが出来る。VOBファイルというのがわたしには難解だが、何となく分かっている。一般的なDVDビデオの中身はVOBファイルだ。どういう訳か分からぬが、VRXでマックにコピーされたVOBファイルを開いて、内容をマックで見るのはアップル製のDVDプレーヤーでは無理で、VLCメディアプレーヤーや、MPlayerなどの再生用のソフトウエアが必要である。但し、RDは1000Base-Tに対応していないから、LAN経由のファイルコピーはずいぶん時間が掛かる。また、一階にあるマックを起動して、VRXというソフトを立ち上げて、「Service開始」ボタンをクリック、それからRDのダビング先をマックに指定する。ちょっと面倒。せっかくのRDだから、DVDにコピーしてメディアを持ち運んだ方が楽に決まっている。HDDに保存するメリットはディスクの整理や入れ替えを気にしなくて良いこと。RDがギガビットに対応していればVRXの価値もあると思う。
そんなわけで、ちょっとやりかけて、一気に挫折した。
8ミリビデオの話しに戻すと、二時間のテープをダビングするには、どうしても二時間かかる。かなりの時間と手間である。出来ればその手間は一度で済ませたい。だからデジタル化して出来上がるファイルに十分な互換性を期待するが、そこのところが分からない。世の中はブルーレイだのHD-DVDだのと、新規格で賑やかで、近い将来すら予想が付かない。何かの設定の都合らしいが、HDDに録画した番組をDVDにダビング出来ないことがある。テレビ番組を録画する前提のRDやDVDビデオの規格は、著作権保護の目的で、なにやら面倒な様々な制約があるように感じる。また、RDの内蔵ハードディスクの容量は160GBで、手持ちの8ミリビデオを全て取り込むなど、とうてい無理な話だ。Firewireの端子を装備しているが、デジタルビデオのiLinkを繋いで画像を取り込む目的で、外付けのドライブにデータを出力することは出来ないようだ。
更に、わたし自身が時間の制約を受ける。家族は日常的にテレビを観て、RDを使う。必然的に作業は子どもたちが寝静まってからになる。夜中の二時間のビデオダビングに、そうそうおつきあいするわけにも行かない。
こうして、デジタル化の手段は得たものの、結局手つかずのまま、時は過ぎていった。
RDを使ったデジタル化に無理を感じて、マックを使ってビデオキャプチャしてみようと思ったものの、なかなか踏み切れずにいた。数社より出ているビデオキャプチャボックスのどれがよいのか分からない理由は、やはりDVDの規格というか、仕組みが分かっていないから。結局何が何だか分からないまま、Capty TV(ピクセラ)をヨドバシで購入した。パッケージに、ソフトウエア新バージョンと書いてあり、インテルマック対応が明記されていた。
この装置は、大きさが15センチ四方程度。スタンドに立てて使う。電源はACアダプタから。マックとの接続はUSB2.0経由(1.0も可)。地上波アナログチューナーを内蔵し、入力はアンテナ、コンポジット、S-video。加えて、以下のソフトウエアが付属する。
以上4種類のソフトは一枚のインストールディスクにまとめられており、インストールは簡単だが、それぞれに異なるユーザーIDの登録が必要で、面食らった。
ちょっとだけ使ってみて、デジタル化の作業そのものはRDを使うより遙かに楽ちんだ。今も、これを書いている裏でデジタル化の作業は進行中である。他の作業を邪魔せずに出来るところがよい。取り込みそのものは簡単だ。取りあえず、片っ端から取り込んで、HDDに溜め込むことにして、外付けのHDDも購入した。I-O DATAの320GB外付けUSB2.0のやつ。その結果、新しいUSB機器が二つ増えて、ハブが込み合っている。使い勝手に関しては、ソフトウエアに依存する部分が大きいが、電源はパソコンと連動した方が良いと思う。アンテナ・RACピン・SvideoとUSB・ACアダプタの差し込みが裏表で、原則縦置きという構成も一考の余地はありそうだ。エンコード中はかなり熱をもつが、使用していないときはひんやりしているから、待機電力は僅かなのだろう。他社製品でリモコン付きもあるが、必要性は感じない。むしろ、誤動作の原因となるのではないか。
デジタル化の手順として、HDDに取り込んでStationTVのブラウザでファイル名の変更や録画の内容に関するメモを加える。HDDはいつ飛ぶか分からない。バックアップは必須だ。適当に編集して、二時間分の8ミリテープを順次DVDにコピーする予定である。
さて、上記ソフトStationTVは悪くない。まぁまぁだ。ほぼ、マニュアルを見ずに使って大丈夫。迷うことはない。但し、CaptyTVのデジタル化はMPEG2ファイルとして出力され、これを開くには、付属のStationTV、または、上記VRXあるいはMPlayerといったソフトウエアが必要である。(iMovie、DVDplayer、QuickTimePlayerのいずれも読み出すことが出来ない。)また、MPEG2ファイルの編集は、付属のCaptyMPEG Edit EX(長い名前)を使う必要がある。私が動画の編集に不慣れなこともあるが、こっちのソフトは今ひとつ良く分かんない。アップル製のiMovieはDV形式のファイルに対応しており、IO-DATAのGV-1394TV/M3という製品がDVストリーム形式の画像圧縮に対応している。もしかしたら、こっちを選ぶべきだったかも知れない。
さらに、monoDVDというソフトでMPEG2ファイルを家庭用DVDビデオ形式(VOBファイル)に変換してDVDに焼き付けるのだが、これが大変時間が掛かる。私はこのソフトには何か不具合があるように思う。手持ちのToastTitanium6では余りストレス無くDVDプレーヤーで再生できるDVDが出来上がった。結局、RoxioのToastTitanium8という新製品をダウンロード販売で手に入れた。Roxio製のeye tvという製品は、他社製品より価格設定が高めだが、Toast titanium7が付属している。ver8が付属であれば、そっちを選んだと思う。
私なりの感想というか、メモ。参考になるかどうか。
というわけで、調子よくデジタル化を始めた。HDDにはMPEG2という形式のファイルが溜まっていく。もう少し、簡単に編集ができると良いと思う。StationTVのブラウザはなかなか良くできていて、取り込んだビデオについて、タイトル、サブタイトル、などのメモを付け加えることが出来る。
とにかく、デジタル化だ。そう思って開始して、私はようやく状況を理解したように思う。まず、Wikipediaに以下のような記述がある。
ほとんどの8ミリビデオカメラは単独で再生機能を備え、本体前面にビデオ入力端子を備えたテレビが普及した事からも、VHSビデオデッキと非互換であることはあまり問題ではないが、子どもの成長記録など個人的な映像が保存されていることも多く、機器の老朽化も進んでいることから、再生環境の維持が課題となりつつある。これに応えるため、2006年現在においてもHi8方式のビデオカメラの開発・生産が続けられており(多くの場合は取り寄せとなるが、カタログに掲載され、改良新製品も定期的に投入されている)、8ミリビデオテープを再生することは可能(音声は、録画・再生共にモノラルで、映像出力はコンポジットのみ)。また携帯型再生機のビデオウォークマンもDigital8用の製品の生産が続けられている。
ということで、取りあえずハードウエアの方は当面大丈夫らしい。しかし、より深刻な問題に気がついた。Wikipedia(英語版)8mm video formatより引用する。
- Lifespan of 8 mm Tapes
- 8 mm tapes should be stored vertically out of direct sunlight, in a dry, cool dust-free environment. As with any media, they will eventually deteriorate and lose their recorded contents over time, resulting in a build up of image noise and dropouts. Tapes older than 15 years[citation needed] may start to show signs of degradation. Amongst other problems, they can become sticky and jam playback units or become brittle and snap. Such problems will normally require professional attention.
- However, the 8 mm format is no more prone to this than any other format. In fact, the metal particle technology used with the Video8 formats is more durable than the metal evaporated type used with MiniDV. Hi8 tapes can be either of Metal Particle (MP) or Metal Evaporated (ME) formulation.
- Because 8 mm tapes use a metal formulation, they are harder to erase than the oxide tapes used with VHS, SVHS and Betamax tapes. As such, carefully stored, they are less susceptible to magnetic fields than the older formats.
他の磁気テープよりは長持ちするが、15年以上経過すると画像の劣化が始まる。つまり、15回目の結婚記念日を迎えた我が家は、映像ソースとなるビデオテープの寿命が迫っている。 現実に、デジタル化を始めて、古いテープを再生しようとしたが、特にテープの初めの部分はノイジーで見られなくなっているものが多い。保管環境にも依ると思うけれど、我が家の場合は、部分的に寿命を迎え手遅れになりつつある。
取りあえず、なんとかしたいという場合、もう一つの方法がある。我が家にあるDigital Handycamはビデオデッキとしても使える。やり方はマニュアルを参照して貰うとして、8ミリテープのコンポジット信号を取り込んでminiDVテープにコピーすることが出来る。しかし、これもデジタル化は出来るものの磁気テープに移すだけで、一時しのぎなので、さらにiLink経由でiMovieに取り込んでDVフォーマットのファイルとする。そうすれば、マックで直接編集が出来るようになる。かつて8ミリフォーマットのハンディカムを使っていて、miniDVに乗り換えた人はこの方法が使えるはず。但し、我が家にあるデジタルハンディカムはコンポジット入力を直接iLinkで出力するキャプチャボックスのような使い方は出来ない。一旦DVカセットに録画する必要はあるから、二度手間ということになる。
もうじき、iPhoneが登場する。我が国の携帯電話環境にフィットしないらしいが少し興味はある。
その後、iMacがアップデートされるという噂ばなし。私はCoreDuoのiMac20インチをつかって、まずまず満足している。居間で家族が使っているPowerMacG4をそろそろ置き換える必要性を検討していたところだ。iMacの17インチを買って、手持ちのモニタを繋いでデュアルモニタにしようか、と考えていたところで新型登場の噂。性能は上がるだろう。価格は据え置きなのだろうな。新しいOSが乗っかったときがチャンスなのかも知れない。この頃、メモリの値段がずいぶん安くなって、パソコンを買うには良いタイミングと思う。
もちょっと待った方が良い感じだな。慌てないことにする。
Mac OS X Tiger が動作している PowerPC および Intel プロセッサ搭載 Mac で、10.4.10 アップデートを適用することをお勧めします。このアップデートには、オペレーティングシステムの全般的な修正のほか、次のようなアプリケーションやテクノロジーに関する修正や互換性に関するアップデートが含まれています:
- RAW カメラサポート
- 外部 USB デバイスのマウントおよびマウント解除
- 他社製ソフトウェア・アプリケーションのサポート
- セキュリティアップデート
このアップデートの詳細については、次の Web サイトを参照してください:http://www.info.apple.com/kbnum/n305533-ja.
セキュリティアップデートの詳細については、次の Web サイトを参照してください:http://www.info.apple.com/kbnum/n61798-ja.
Safari Beta 3.0.2 is recommended for all users and improves its security and stability.
ちょっと、こんなところ。冴えないな。