このページのもくじ

  1. 思い出を残す
  2. Keynote2使用中
  3. Keynoteに注文をつける(追記、訂正しました2006-02-08)
  4. iLife'06、iWork'06

プレゼン、プレゼン。

思い出を残す

サンヨーという電気会社が莫大な赤字を計上し、会社の再建云々の話になったとき、2000億円に及ぶ赤字の原因として「主力のデジカメ事業の売れ行き不振」という話しが出て、私はその会社はダメだと思った。デジカメ一台を売り上げて、会社にどれほどの利益があるか、売れ筋は恐らく販売価格にして3万円くらい。多く見積もっても一台1万円程度の利益。2000万円の赤字を埋めるには2000万台のデジカメを売らなくてはならない。非現実的な数字である。だいたい、いつからサンヨーの主力がデジカメ製造になったのか。

一方で、毎週末新聞に折り込まれる家電量販店の広告を眺めると、一台20万円を越えるテレビがずらりと並ぶ。業績不振で四苦八苦していたソニーが、新ブランドの液晶テレビ売れ行き良好で息を吹き返している話しも聞いた。何か狂っている。高がテレビ一台に数十万円を払う消費者たち。単価が高い分、一台あたりの儲けも大きいのだろう。濡れ手に粟の商売。儲かるものに熱中し、本業を見失う。楽して儲けると企業は腐る。バブルはそのうちはじける。クライシスに襲われるのはメーカーだけではない。ユーザーにとってデジタルクライシスはより深刻である。

私が懇意にしていたミノルタは、生き残りを賭けてコニカと合併したが、結果的に失敗に終わったようだ。メーカーにとって幸いなことは、ミノルタにはデジタル複写機などの採算が期待できる事業があったこと。本業を捨てて、そちらに資源を集中すると云うことらしい。これはユーザーにとって不幸な点である。ミノルタがカメラから撤退するという発表は、メーカーが考えていた以上にユーザーの(あるいは社会全体の)写真離れを決定的なものにしている。ユーザーたちは、レコードの衰退、ビデオ8のデジタル化を身近な例としてすでに経験している。

ミノルタはカメラ部門を完全に切り離して、部門ごとソニーに売るべきだったのだ。そうすることで、カメラ事業を残すという意思表示をすべきだった。数ヶ月後に長女の卒業式、入学式を控えている。私は生活の思い出をどのように残すべきなのか。今までデジカメとフィルムカメラを完全に区別していた。デジカメ画像を印画紙に焼き付けたことはない。しかし、写真は完全にデジタルにシフトしていく。どうやら考え方を変えねばならないらしい。

Keynote2使用中

すでに、アップルからiWork'06のコンポーネントとしてKeynote3がリリースされている。先日申し込んだので、近日中に届くと思う。仕事で講演会の講師役としてライドショウを使うため、Keynoteで資料を作っている。一回あたり75分の持ち時間でで5回分。去年も同じ講習会を受け持った。その時は、PowerPointとKeynoteをごちゃ混ぜにして使った。今回は全てKeynoteを使って資料を作り直している。

昨年は、既にHTMLで作製していた資料を元にして、ワードファイルを作製し、それを元にプレゼン用のパワーポイントファイルを作製するという、二段階の手間があった。やり方はその時に紹介しているが、HTMLから移植するのにKeynoteよりPowerPointの方がやりやすかったのだ。今回はそのような手間が必要ない。昨年のPowerPointファイルに手を加えてリファインするだけ。ちょいとKeynoteを使ってみようかと、初めのうちは方針を決めかねて、PowerPointと両方を立ち上げていた。

Keynoteに注文をつける

いつのまにか、Keynote相手に無心になってプレゼン資料の修正に取り組んでいた。

結局、Keynoteを使うことになった理由の一つは、PowerPointのアウトライン表示のフォントの小ささに嫌気が差したというのもちょっとある。その点、Keynoteのインターフェイスは悪くないのだ。KeynoteはPowerPointファイルを読み込み可能である。PowerPoint形式で書き出しも可能であるが、完全な互換性とは云えないし、書き出しは少々面倒で時間が掛かる。PowerPointはKeynoteファイルを直接読み込むことが出来ないから、どっちにしようか、と思いながら何となくやっていると、Keynoteに誘導されるようになっている。一旦Keynoteを使い始めると、.keyファイルが溜まっていく。PowerPointに戻ることが難しい。

しかし、私はKeynoteを勧めない。いくつかのアニメーションのアクションが派手だ。PowerPointよりもスムーズできれいかもしれない。しかし、Keynote風の派手なアクションは、改まったプレゼンテーションで使うには気が引ける。それ以外の機能に関して、PowerPointを凌ぐものはほとんど無い。Keynoteの良い点はPowerPointでないこと。PowerPointオブジェクトの互換性の低さや、取り込んだ図表を勝手に伸縮させるような厚かましさがKeynoteには無い。

気がついたときには後戻りできない状況になっていた。もう覚悟を決めて使い続けるしかない。使い続けるという前提で、Keynoteの改善を望む点を、ポジティブに挙げていく。

ちょいと修正。私が使い方を理解していないだけの部分がいくつかあることに気がついた。

グルーピングしたオブジェクトの修正
グループを解除して修正を加えると、改めてグルーピングし、アニメーションの設定を一からやり直さなくてはならない。この操作性の悪さは致命的。PowerPointの「再グルーピング」やマクロメディアの「ダイレクト選択ツール」に相当する機能が必要。
リスト表示
リストが一組だけ。複数使いたい。せめてアニメーションを分割して設定出来ないものか。追記参照妙なバグがある。シフト+タブでおかしな挙動。
アニメーション設定
どのオブジェクトがどのような順でどういう風に動くのか、一覧表示がほしい。一覧表示できました。
テキスト入力が遅い
大変困難なほど動作が遅い。作業を続けていると入力が遅くなることがあるようです。一旦Keynoteを終了して起動し直すと改善する。
テーマ
改まったスピーチに使えるようなものが欲しい。テーマの変更、作製は難しすぎ。

リストを分割して利用する方法(Keynote3)

ビルドインスペクタで、表示方法:「一件ずつ」を選択し、「要素に対して個別にタイミングを設定」をチェック。すると、リスト各行を個別に表示させることが出来る。各行の間に別のオブジェクトを挟むことも可能。「詳細設定」でビルドの順番を表示させて、「ビルドを開始」するタイミングを選べば、複数行をまとめてコントロールすることも可能。というわけで、私のやりたかったことは、おおむね出来るということです。「個別にタイミングを設定」はKeynote3から加わった機能のようです。(Keynote2ではやり方が分かりませんでした。)

失礼しました。恐れ入りました。Keynote2で悶々としていた人は、Keynote3でアニメーションを全面的に組み直す必要があるかもしれない。

こうやって並べたけれども、結構使えているのだ。結局一番の問題は互換性とテーマのけばけばしさ。もし、自分のパソコンが動かなくなったらどうしようという不安が常について回る。

iLife'06、iWork'06

ふたつ合わせて、14,600円。私が使う見込みがあるのはiPhoto6とKeynote3のみ。タダで配ればいいのにと思う。OSXのオマケにするとか。といいながら購入した。届いたので早速使ってみた。

iLifeのインストールに小一時間かかった。OSのインストールより時間が掛かるというのはどういうことかな。iPhotoは起動後にデータの再構築とか、サムネイルのナントカがあって、使い始めるまでに更に時間が掛かった。久しぶりに古い画像をスライドショウでみていたら、子供たちが大喜びでパソコンのまわりを囲んだ。こういう時代なのかもしれない。まぁ、それは置いておいて。

iWorkの方もインストールしてKeynote3を使ってみた。MacFan03号をあらためて眺めていたら、Keynote3に新たに加わるものとして、

  1. 7種類の新テーマ
  2. スライド全体を把握できるライトテーブルモード
  3. 3Dエフェクトによるトランジッション5種類
  4. iDVDとの連携機能
  5. HTMLコンテンツのスライド書き出しに対応

とのこと。さらに、iWorkの試用版(OSXなどに付属していたもの。iLife'06にも試用版が付いてくる)は30日の試用期間後にiWork書類を開くためのプレーヤーとして使用できるそうです。

細かなバグの修正などがあるのかもしれない。HTMLコンテンツのスライド書きだしというのに注目したのだけれど、どうやったらよいのか分からなかった。新バージョンとして数千円払う価値があるとは思えない。アップデータで対応すればそれで済むような気がする。不出来な部分の修正もほったらかしのようだし。もうちょっといろいろと使ってみてからもう一度コメントすることにします。


この商売のやり方がおかしい。金づるにされている気分。