DreamweaverMX2004を使って、ウエブページに外部スタイルシートを導入する実際を解説します。現在私が使っているMX2004 for Macintoshを中心とした解説ですが、旧バージョンMXや、ウインドウズバージョンでも基本的には余り変わりははいはずです。
スタイルシートを使うと、様々な凝ったページデザインが可能になるはずです。しかし、デザインやテクニックに関する記述は、ここにはほとんどありません。このページは、主に、Dreamweaverのスタイルシートエディターとしての使い方の解説です。
スタイルシートには、「外部スタイルシート」以外に、適用したい部分に直接書き込む「インラインスタイルシート」による方法、特定のウエブページのヘッド部分に直接「スタイル要素」を書き込方法があります。外部スタイルシートは、拡張子.CSSのスタイルシートファイルを別に用意して、HTMLファイルからリンクさせ、スタイルを指定する方法です。どの手段でも、ページのレイアウトやデザインは同等のものが作れるはずです(多分)。
私はウエブ管理や作製の効率を重視します。外部スタイルシートを用いることで、それぞれのページのHTMLは、文書の内容と、構造のみを示す、大変シンプルなものになります。複数のページに共通のスタイルシートを共有させることで、ページデザインに統一性を持たせることができます。また、ひとつのスタイルシートを書き換えることで、それを共有する全てのページのデザインを変更することができます。ドリームウィーバーのテンプレートと組み合わせて導入すると、サイトの管理、作製の効率は飛躍的に高まります。(テンプレートの活用法は別項にまとめてあります)
テンプレートと外部スタイルシートを組み合わせるメリットを生かすには、現在のウエブページに対する考え方を根本的に変える必要があるかも知れません。HTMLを理解することは必須です。但し、複雑なことはスタイルシートに任せて、ごく基本的な要素を、ルール通りに並べることになるので、覚えるべきことは驚くほど少ないはずです。
まず、テーブルタグによるレイアウトを諦める必要があります。HTMLは文書の構造を明示するものですが、レイアウトのためのテーブルは、何一つ文書の構造を示していないからです。そして、全てのフォントタグは邪魔になります。フォントの色にグラデーションを掛けたり、閲覧者の興味を引くために、フォントタグでサイズを調節するようなことも諦める必要があるでしょう。
覚悟ができたら、あとはやるだけです。最初は、文書から余計なタグを削除するのにいくらか苦労することでしょう。やり遂げなくてはなりません。それから先は、ドリームウィーバーが何とかしてくれます。
立ち上げた後、開いておくべきウインドウは、
挿入パネル、プロパティウインドウの使い方は、別項にまとめてあります。
環境設定の中で、注意すべき点は
他にも、いくつか設定上気を付けたいところがありますが、スタイルシートとは直接関係がないので省略します。
1*: 必ずしもチェックする必要はない。この設定をすることで、プロパティパネルでフォントサイズなどを指定すると、従来のフォントタグに代えて、スタイル要素をHEAD部分に挿入する。外部スタイルシートを使うと云う前提から外れることに注意。
ドキュメント、画像、スタイルシートなどを、予め各々のフォルダに分けて整理しておく方が分かりやすいです。一例を示します。ファイル名は仮の名前です。フォルダ名は/を付けて示しています。
サイト内のファイルが、ある程度共通の構造を取るように工夫しておきます。例えば、
具体的には、ファイルのbody部分を分割して、<div id="header"></div>の様に、div要素で括ると良いと思います。
また、必要があれば、小さなファイルを統合したり、大きすぎるファイルを分割することも考慮します。
基本構造が決まったら、テンプレートの導入が有効です。
Dreamweaverのドキュメントウインドウにファイルを開き、コードビューでHTMLを修正しておきます。もし、今までデザインビューだけでページを作っていたなら、かなりおかしなHTMLが出来ているかもしれません。HTML4.01 strict.dtdに従うように書き直します。要点は以下の通りです。
文型宣言を書く。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN"> <html lang="ja"> <head> ・・・コンテンツ・・・・ </head>
とりあえず、例文(HTMLファイルbody部分の一部)を示します。
<div id="Example1"> <p>これは一例です。 </p> <blockquote> <p>道具であるとすれば、それは便利であらねばならないし、 生活を豊かにしてくれるものであるはずです。 さて、私の道具が便利であるために、生活を豊かにしてくれるために、 私は何をどうしているのか、、、 日々、(たまに)レポートしていこうと思っている。</p> <p class="reference">道具としてのパソコン、前書きより</p> </blockquote> </div> <!--end of "Example1" -->
一応解説。セクション全体を<div> </div>で括り、それにExample1と云う名前をid要素として与えています。引用部分は<blockquote></blockquote>で括り、引用元の表示段落に、.referenceと云うクラス属性値を与えています。
以下の通りの表示を実現する外部スタイルシートを作製します。
style.cssに設定し、CSSフォルダに収め、documentフォルダのsample.htmlに適用させることにします。フォルダ構造は上記の例に従うとします。
ようやく本題に入ります。まず、Dreamweaverのメニューに従って作成する方法を紹介します。
以上の操作により、、、
新規CSSスタイルダイアログ
メニューに従って作る方法は、オートマチックですので、間違いがない反面、自分の意図しないことがおきてしまう可能性があります。また、プロパティをひとつずつ加えて行かなくてはならなかったり、他のスタイルシートからコピペすることができません。そこで、私が普段行っている、ある程度手書きで作る方法を紹介します。Dreamweaverのメニューに従う方法より、マニュアル操作の方が融通が効くし(複数のセレクタを一度に追加できる、空のプロパティを設定できるなど)、分かりやすく、手間も余り変わりませんのでお勧めです。なんにせよ、まず、スタイルシートのタネを作ります。
テキストエディタ、あるいはDreamweaverで、CSSファイルを作成し、style.cssと名前を付けて、CSSフォルダに保存します。記載内容は以下の通りです。
/*Example1のスタイル*/ #Example1 { } #Example1 blockquote { } .reference { }
プロパティはDreamweaverのダイアログを使って書き込むので、とりあえず、セレクタ名と中括弧のみです。/*コメント*/を自由に書き込むことが出来ます。
スタイルシートファイルの作製にDreamweaverを使う場合は以下の通りです。
スタイルシートは一般的なテキストエディタなどで作ることも出来ますし、何処かで手に入れたスタイルシートファイルをコピーして使うことも出来ます。
sample.htmlにこのスタイルシートを適応するために、<head> </head>の中に、スタイルシートへのリンクを書き込みます。
<link href="../CSS/sample.css" rel="stylesheet" type="text/css">
これで準備完了。
ここから、DreamweaverのCSSスタイル編集機能を使います。スタイル定義ダイアログの扱いが、MX2004バージョンで変更されていますので、MXとMX2004と分けて説明します。
予め、sample.htmlを開いておくこと、CSSスタイルパネルを表示させておくことは共通です。
なかなか良くできています。デザインビューで、表示を確認しながら、設定してゆきます。(しかし、デザインビューを全面的に信用してはいけません。最終的な確認は、ブラウザでプレビューを行います。)
なお、数値は半角で入力し、必ず単位を決めます。原則的に相対指定(emまたは、%)を選びます。サイトウインドウからstyle.cssを開くと、中身は以下の通りになっているはずです。
/*example1のスタイル*/ #example1 { font-size: 1em; color: #000066; padding: 1em; height: auto; width: auto; border: 1px solid #666666; } #example1 blockquote { color: #666666; background-color: #CCFFCC; margin-top: 1em; margin-right: 1em; margin-bottom: 2em; margin-left: 2em; border: thin dotted #00FFCC; } .reference { font-size: 0.9em; color: #FF0000; text-align: right; }
中括弧の中身が、DreamweaverのCSS編集ダイアログによって書き加えられたプロパティです。
MX2004バージョンで大きく変更された点です。カーソルの位置や、選択されている部分を定義しているプロパティが表示されています。簡単な修正であれば、こちらから修正した方が、スタイル定義ダイアログを開くより楽かも知れません。ただし、そのプロパティを適応される全ての要素に変更が反映されることを常に意識する必要があります。
メニューから追加する場合は、テキスト>CSSスタイル>新規CSSスタイルを選び、ダイアログを使って指定します。一度に指定できるのは一つだけなので、複数の宣言を追加したいときは、以下の操作を繰り返します。
マニュアルで追加する場合は、Dreamweaverまたは、エディターでstyle.cssを開き、セレクタ名と中括弧を半角英数で記入し、保存する。複数のセレクタを一度に追加できる。
Dreamweaverのデザインビューは、比較的上手にCSSデザインを反映しますが、おかしなところも多々あります。ドキュメントウインドウのツールバーにある地球マークをドラッグして、いくつかのブラウザでプレビューして表示を確認します。
ドキュメントツールバーの上下矢印ボタンをドラッグし、PUTを選びます。依存ファイルを含有するを選ぶと、sample.htmlと同時に、style.cssもプット出来ます。各々を個別にプットしても構いません。
こうしてアップロードしたページを表示させますと、以下のように見えるはずです。
これは一例です。
道具であるとすれば、それは便利であらねばならないし、生活を豊かにしてくれるものであるはずです。 さて、私の道具が便利であるために、生活を豊かにしてくれるために、私は何をどうしているのか、、、 日々、(たまに)レポートしていこうと思っている。
道具としてのパソコン、前書きより
スタイルシートはできるだけ共有出来るように工夫するべきです。必要があれば、共通して適用させる部分と、各々のテンプレートごとに適用する部分を別のスタイルシートファイルに分けると良いと思います。共通して適用させる部分とは、(画一的に考えることは困難ですが)多くのタイプセレクタ(HTMLタグの再定義)、疑似要素が該当します。idセレクタ、クラス要素は多くの場合、各々のテンプレートごとの別ファイルとした方が便利と思います。
スタイルシートができあがると、タイプセレクタとidセレクタ、疑似要素は自動的に適用されます。クラスセレクタは、適用させたいタグを選び、class属性として与える必要があります。例えば、段落などのブロック要素にreferenceで定義されているプロパティを適用させるための書式は、
<p class="reference">道具としてのパソコン前書きより</p>
一方、段落中の一部、つまり、インライン要素として書式を設定したいときは、その部分を<span> </span>でマークアップして、クラス名を属性として与えます。
<p>私の<span class="hard">パワーブック</span>の故障が直りました</p>
このページのスタイルシートには.hardと云うクラスセレクタが設定してあります。文書中に出てくるハードウエアの名前をマークしようと云う意図なのです。
私のパワーブックの故障が直りました
と云う風に表示されます。
ドキュメントウインドウから、classセレクタ付きのspanタグを挿入するには、
Dreamweaverを使ってウエブサイトに外部スタイルシート導入を目指す人を手助けします。
DW_CSS