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手塚治虫さんについて

手塚治虫さんといえば、不世出の漫画家、アニメーター、SF作家。日本のストーリーマンガの改革者であり、発展させたイノベーター。そして長編テレビアニメの先駆者。様々な顔を持ち、ひとことで彼を表現するのは難しい。私達の日常に、マンガやアニメ以外にもありとあらゆる部分に彼の影響は現れている。日本のみならず、海外でもその評価は高いようです。

彼が関西にゆかりが深いことは、何となく知っていましたが、宝塚市のゆかりは昨年見たテレビドラマ(藤原紀香主演、ユースケサンタマリアが手塚役を演じた、宝塚歌劇団もの)で始めて知りました。

手塚治虫記念館

手塚記念館外観

結構目立つ外観↑

今回、手塚記念館を訪れることにしたきっかけは、新聞の地方版に馬場のぼるさんの特別展をやる、という記事を見つけたからです。エリポンが幼稚園から借りてきて以来、馬場さんの「11ぴきのねこ」シリーズは我が家で最も人気のある絵本の一つになっているのです。加えて、今ナミンチはサザエさんに夢中。自分でも一生懸命マンガを描いています。手塚さんや、馬場さんの展示を見ることが、よい刺激になるのではないかと期待したわけです。先日NHKBSで放送された鉄腕アトムにこども達は興味を示していましたが、こども達は手塚治虫さんのことをほとんど何も知らないのです。

マックで腹ごしらえしてから、車で出かけました。

道のり

家から宝塚市は車で30分以内の距離ですが、途中、阪神競馬場の脇を通り抜けるので、休日は渋滞するかもしれません。宝塚市内中心部、近く廃止が決まっている宝塚ファミリーランドに張り付くような形で建っています。駐車場はありませんが、近くの民間の駐車場に車を入れました。一日停めて800円。ファミリーランドのお客さんが目当てのようですが、あいにくの雨模様で、随分空いていました。

記念館は一見小さな建物ですが、よく目立ちます。壁に手塚マンガのキャラクタのレリーフが飾ってあります。

入り口でチケットを買って、入場しました。入館料は大人500円、中高生300円、小学生100円。9:30〜5:00まで(夏は7:00まで)。水曜日と二月末が休館日だそうです。

アトムがお出迎え

入館するとすぐにアトムの着ぐるみが出迎えてくれます

アトムの出迎え

ちょっと大きめのアトム↑

フロアは地下一階、地上2階。一階は、漫画家・手塚治虫の様々な資料が、アトムの世界をイメージするようなカプセルをかたどったケースに収められ、並んでいます。彼の誕生後から、その死まで、年代を追った展示です。少年時代の昆虫採集の記録やら、漫画家を夢見ていた頃の落書きのような作品、彼が医学生であったことは有名ですが、学生時代のノートなど、とくに興味深く見ました。天才はとても几帳面で丁寧な人です。興味深いのですが、こども達は二階の馬場のぼるさんの展示に早く行きたいらしく、余りゆっくりみている暇はありませんでした。こども達をカアサン任せにするわけにもいかないし、、、

馬場のぼるの世界

馬場のぼるさんは、手塚さんの親友の一人だったのです。手塚さんのマンガの中にも、馬場先生というキャラクターで時々登場しているそうです。惜しいことに、一昨年、亡くなられました。

壁一面、11ぴきのねこ

力の入った展示でした↑

手塚氏の人形

手塚氏の仕事場を再現したジオラマ

アニメ教室

マンガアニメ教室

二階のフロアいっぱいに、馬場さんと手塚さんの関係を知らせる資料、「11ひきのねこ」以外の彼のマンガ作品が、まず目に入り、その先は壁一面に11ぴきのねこが並んでいます。こども達大喜び。絵本の作成過程も知ることが出来ます。手書きの原画を一度リトグラフという手法で版画にして、絵本の原画に使っているそうです。

座布団を敷き詰めたビデオ上映コーナーがあって、ここで、こども達は馬場さん自らが朗読する11ぴきのねこのビデオを、喜んで見ていました。脇の書棚に並んだ沢山の絵本を自由に見ることも出来ます。さらに奥にはミュージアムショップがあり、なかなか手に入りにくい本やグッズが並んでいます。カアサンは早速、11ぴきのねこシリーズのうち、まだもっていないを2冊、カルタとぬいぐるみを手に入れました。一足早い子供たちへのクリスマスプレゼントです。

ショップは二回フロアの奥の方にありますが、その付近には、手塚さんの作品が並んだ書棚があり、これらも自由に見られるようになっています。パソコンが数台並び、クイズに答えられるようにもなっていました。

だいたいの展示を見終わり、そろそろ帰ろうか、と思い、最後に地階に降りました。宝塚ファミリーランドのチケット売り場と入り口があります。その奥に、ちょっとした未来風のセットがあって、突き当たりは手塚さんの仕事場を再現したセット。人形ですが、手塚さんが座っています。手前に大きな机が置いてあり、そこで、簡単なアニメーションの作製を体験できるようになっていました。

長女と次女がアニメーションに挑戦です。申し込むと、A4サイズくらいの紙を4枚と、紙を固定する金具、鉛筆、消しゴムを渡されます。机に向かって絵を描くのですが、机がライトボックスになっていて、一枚目の絵を透かして、二枚目を描くのです。もちろん、ちょっとずつ変化をつけて描きます。机には簡単な説明が貼り付けてあります。4枚全部書き終わったら、係りのお姉さんに渡しますと、パソコンで読み込んで、部屋の壁に設置してあるテレビモニターに映し出されます。子供たちは初体験で苦労していましたが、なかなか楽しいアニメーションが出来ました。

なにより、自分で描いた絵がテレビのなかで動く、というのが子供たちにとっては大きな驚きだったようです。

感想とまとめ

なかなか楽しい場所です。手塚さんを知らない人はまず居ないでしょう。一階の彼に関する様々な展示は、余りマンガには興味がない、という人にも十分楽しめるものです。展示内容もなかなか充実しています。少々展示スペースが狭いのが気がかりですが、当日は余り込んでいませんでしたので、わりとゆっくりと見られました。二階の特別展示は、普段どのようなものが企画されているか分かりませんが、馬場さんの展示に関しては、よちよち歩きの赤ん坊から楽しめるものです。ミュージアムショップも、ここ以外で探すのは簡単でない様なものが手に入ると思います。タンタンを遊ばせられるようなスペースはありませんので、誰かが常に目を配らなくてはなりません。なんにせよ、宝塚市立の施設で、これだけの展示を維持するのはなかなか大変だろうと思う。

地下のアニメ教室については、小学生以上なら大丈夫と思います。是非参加したらいいと思います。

2003年4月にアトム誕生を迎えます。きっと賑やかになることでしょう。ファミリーランド閉鎖の影響はどうでしょうか。ちょっと心配。周辺は道路が狭いので、車で来る人は注意が必要です。民間の駐車場に止めることになると思いますが、駐車場から記念館まで歩くときも、交通安全には気を使った方がいいと思います。

是非一度、訪れることをおすすめします。子供たちももう一度行きたいといっています。私ももう一度ゆっくり、じっくりと見たいです。

2004-4-25再訪

NHKでアニメ「火の鳥」の放映が始まりました。それに合わせて、手塚治虫記念館では、設立10周年記念の特別展、「火の鳥ー生命の輝きー」を開催中ということで、行ってきました。(5/12/04:追記)

火の鳥、特別展を観覧しました

武庫川の橋の上

阪急の鉄橋が見えます↑

記念館前の火の鳥像

火の鳥の前で記念撮影

今回は、電車で出かけました。西宮の我が家からは、阪急を利用します。神戸線夙川駅から乗車。西宮北口で今津線に乗り換えて宝塚方面に向かいます。終点、宝塚のひとつ手前、宝塚南口で下車しました。西宮方面から乗るなら、宝塚南口の方が便利かも知れません。お昼ご飯に、私たちは西宮北口の阪急茶屋でおそばを食べましたが、宝塚南口駅ビル内で昼食を取れると思います。

途中、武庫川に掛かる橋の上から阪急今津線の鉄橋が見えます。さっそく記念撮影。橋を渡ると、記念館はすぐです。記念館前の火の鳥象をバックに、というか、しがみついてまたまた記念撮影。

館内は随分と賑わっていました。アトムとウランがお出迎えしてくれます。今回のお目当ては、特別展ですが、常設展も改めてじっくり見ました。多作で知られる手塚作品の秘密が、いろいろと見て取れます。館内では、絵はがきの当たるクイズを実施中でした。

特別展は二階です。手塚氏のライフワークとも云える、「火の鳥」の様々な資料が展示されていましたが、特別展の目玉は、なんといっても、手塚氏自筆の漫画原稿の展示です。大変な迫力です。漫画家志望のひとはもちろんのこと、彼の漫画に興味のある人全てが必見の資料というか、作品。私には芸術に思えました。

二階奥は彼のおびただしい作品を座り読みすることが出来ます。パソコン端末がいくつか設置してあり、電子版の漫画も閲覧できます。子ども向けにクイズなども出来るようになっていて、我が家の子供たちも楽しんでいました。

ヨウカラはスケッチブック持参で、火の鳥の像を写生しました。館内で、新聞記者のインタビューを受け、「手塚さんのキャラクターで一番好きなのは何?」と聞かれて、「火の鳥と、エンゼルの丘のルーナ姫」と答えたのですが、翌日の新聞では取り上げられませんでした。

特別展、展示

天才とその作品

アニメ工房

リニューアルしたアニメ工房

シアターでアニメーション映画を見て、地下のアニメ工房へ向かいました。前回訪れた時と、かなり模様替えしていました。新しくなったアニメ作製ソフトで、楽しむことが出来るようになっています。もちろん、手書きのペラペラ漫画(二コマ)を作ることも出来ます。

二階の売店で、記念館のガイドブックを手に入れました。500円で、常設展の概要などが写真入りで紹介された、見応えのあるものです。

記念館内をアトムに加えて、ウランちゃんの着ぐるみに出会うことが出来ます。気軽に記念撮影に応じてくれます。(が、こういう写真の公開は、肖像権とかそういう問題はないのかな?)

帰りは、宝塚劇場の前を歩いて、宝塚駅から電車に乗りました。大変満足。見逃さなくて良かったです。お奨め。

ブラックジャックの魅力の秘密展(2005-03-21)

「ブラックジャックの魅力の秘密展」2005年3月1日から6月28日まで。をみてきました。すばらしい展示です。手塚ファンは是非ご覧になることをお奨めします。(3/21/05:追記)

医師・手塚治虫

手塚氏の直筆原稿

直筆原稿の一部

アニメ工房を楽しむ次女

アニメ工房を楽しむ

子供たちが、毎週楽しみにしているアニメの方は、現代風にリニューアルしてありますが、医師免許を持つ手塚氏ならでは。彼のもう一つの面を見せてくれる、代表作の一つと言っていいでしょう。無免許で医療行為をおこなうこと自体は違法行為で、ブラックジャック自身も常に高額の治療費をふっかける露悪的なキャラクターですが、ストーリー全編は手塚氏らしいヒューマニズムで貫かれています。

今回、日本テレビ系列でアニメ化されたことを受けて、特別展が開催され、見に行ってきました。

みどころ

アニメに関する展示は、今まで放送された数回分を紹介するパネル程度で、さほどたいしたものはありませんでした。近頃のアニメはデジタル化され、従来のようなセル画を使わないのかもしれません。

今回の見どころは、なんといっても、手塚氏の直筆による大量のまんが原稿の展示です。ブラックジャックそのものが、週刊誌に連載され、一回分が短いこともあり、連載の数回分を全て原画で読み切ることが出来ます。これを全て眺めるだけでも随分と時間が掛かることでしょう。私達は午前中から出かけましたので、さほど混み合っていませんでしたが、午後になるとかなり混雑していました。出来るだけ空いている時間にお出かけになることをお奨めします。手塚ファン、漫画家志望の人は必見と言っていいでしょう。

地下のアニメ工房も大変興味深い企画です。3Dアニメ作製を体験できます。まぁ、他愛もないソフトで遊ぶ、ということなのですが、面白いです。アニメに対する見方が変わるかもしれません。

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