逐次引用は止めよう:2005-10-06

メールをやりとりしていると、やりきれない気分になることがある。

メールを受け取り、必要なものに対して返信する。私の使っているメールソフトでは、「返信」ボタンをクリックすると、往信の全文が引用の形で返信文に残る。返信するときは、往信文をよく読んで、理解した上で要約し、必要な部分があれば抜き出して引用文とし、適切な返信文を添えて返信するのがいつものやり方だ。しかし、メールソフトは相手の文面の引用が容易いため、しばしば必要以上に引用している文面に出くわす。往信文をあらかた残して、その行間に返信文を書き込んでいくやり方(逐次引用)を、多くの人が無自覚にやっていると想像する。

逐次引用は、文意を読み取っていない、もしくは、理解するのが面倒くさいのが見え見えだ。

逐次引用は、メールのみならず、ウエブページ上のやりとりでも時々見かける。断片的に残らず引用することで、結果的に相手の揚げ足取りになりがちだ。論点がずれて、拡散していく。無駄な引用はリソースの価値を下げる。結果的に、Authorの信用も損なう。

念入りに読み取って、相手の意図を理解し、引用を最小限にとどめるべきだ。逐次引用を伴うコンテンツは、引用されたコンテンツの作者個人に向けられている場合が多い。本来メールで済ませるべき内容で、公開すること自体に余り意味がないように感じられる。

引用は難しい。自戒を込めて書いた。