理解してもらうためのStrict(2005-06-06)

 ある時気付いて、私はHTMLを勉強した。とりあえず必要最小限を理解し、覚えた積もりでいる。それに伴い、私のページの記述から要らないタグを外し、ごく限られた要素の中に自分の文章を当て嵌めていった。適切にマークアップすること、すなわち、見出しを付けて、段落に区切る作業は、表現したい内容を整理し、筋道を立てていく上で大変有効であると感じた。加えて、適切なマークアップとよく練られたスタイルシートは、筆者の意図を明示してくれるため、読者の理解を大いに助ける。何を言っているか分からない人は、普段見ているウエブページを、スタイルシートを使わずに(ブラウザデフォルトのスタイルシートを使って)閲覧してみると良い。訳が分からなくなるページはマークアップがでたらめである。

私がStrict HTMLに拘るのは、文章の意図が読者に伝わりやすいと思うからである。前述の英文レポートは、読みにくさが読者の理解を損ねる例である。伝えるために、読みやすさが重要なのだ。

テーブルを用いたレイアウトが宜しくないと云う話し。用紙に書き込むと云う発想から抜け出すことが必要である。定型の用紙は、それぞれの欄がマークアップに該当する。そして、テーブルはレイアウトを兼ねる。印刷イメージなら、それで良い。しかし、ウエブページで表現するなら、それぞれの枠が適切なマークアップに置き換えられるべきだ。印刷イメージとウエブブラウザの表示、それぞれの特性を理解して扱う必要がある。

警察庁の「インターネット安全教室」開催の告知ページは、テーブルレイアウトである。テーブルレイアウトとしているのは、恐らくレイアウトするためではなく、元になった文書が表で括られているからだろう。私の環境でこのページを見ると、「警察庁」の庁の字が、一段ずれる。フォントサイズを一段小さくすると、一行に収まる。極めて下らないと思う。みっともない。

そのリンク先のページは、マークアップはともかく、内容がすごかった。NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)と経済産業省が主催して、3年続いている「インターネット安全教室」と云う企画の告知ページ。毎年同じテキストの使い回しで、一部表現を変えるやり方が、やる気のない学生さんの複製レポートを見せられている気分。恥ずかしいと思う。

読みに行った他人のページが読みづらい場合、私は「スタイルシートを使用しない」設定で読むことにしている。適切なマークアップがなされていないと、却って読みづらくなったり、場合によっては判読不能に成るが、そういう時には、残念に思うだけだ。