実際の講習会場は定員100名ほどのスロープ付きの講義室のような場所。正面中央に大型のスクリーンがあり、スクリーンに向かって左側のコンソールにパソコンを繋ぐ。天井吊りのエプソン製プロジェクタはいささか古くて暗いため、部屋のカーテンを閉めて照明を落とす必要がある。
ワイヤレスマイクのヘッドセットを首からぶら下げて、レーザーポインタでスクリーン上を指し示しながら喋ることになるのだが、コマを進めるのにクリック操作が必要のためコンソールから離れられない。コンソールはスクリーンから角度が無いために、大変やりにくい。リモコンでパソコンを操作できると良いと思う。また、私のパワーブックはトラックパッドが壊れており、トラックボールを繋いで使わざるを得ないのだが、スライドショウの最中にスクロールホイールや右ボタンなどに触れてしまうと意図しない動作が起こる。MouseWorksのapplication settingで、余計ななボタン操作を殺して使った。
かつて、このような資料の提示は、フォトスライドやOHPが主流だった。それらは、「メモを見ながら板書」の代用であったはず。板書に比べたメリットはあらかじめ用意しておけることで、
一方、板書のメリットは、
フォトスライドは、あらかじめ用意するものであり、全く柔軟性に欠ける。それに対してOHPは板書とフォトスライドの中間的な性質で、手許で順番を入れ替えたり、新たに描き込んだり、部分的に隠したりという柔軟性を持っている。但し、シートの管理が面倒である。
大昔、(私が大学院生の頃)フォトスライドはモノクロの原稿をブルースライド(紺色の背景に白い文字や線)にするのが一般的だった。原稿はロットリングやによる手書き原稿から、ドローソフトとレーザープリンタに置き換わりつつあった。パワーポイント、およびその類似ソフト(かつては、Persuationなんて云うのもあった)が登場し、パワーポイントとポラロイドフィルムレコーダーが主流となり、プリントアウトと写真撮影のステップが省略された。この方法によるスライド作製は、多分フィルムレコーダのドライバの問題で、文字化け、レイアウトの狂い、画像が表示されないなど、思い通りにならない面倒な代物だった。スライドはカラー化され、ソフトの使い方を理解している人はデザインを統一することが出来るようになったが、カラー化により却って視認性の悪いけばけばしいスライドが増えた。そして、パワーポイントが縦向きのスライドに対応していないために、縦向きスライドが姿を消した。
そして、今は液晶プロジェクタでパソコンから直接映写する方法が主流というか、99%そうなっている。フォトスライドを受け付けてくれる会議など無い。
アニメーションで表現力は増したものの、パワーポイントはコマに分割するというかつてのフォトスライドの習慣を引きずっており、柔軟性では板書やOHPに叶わない。より柔軟なデータの提示が実現するべきだと思う。そのために、
が利用出来ると良いと思う。コマ分割のフォトスライドの代用ではなく、大判ポスターをプロジェクタで提示していく発想が必要だろう。スクロールや画面の拡大は、SVGAの画面サイズからの脱却である。技術的にさほど難しいものとは思わない。スライド画面への書き込みは、レーザーポインタに代わるもので、液晶タブレットを使えば実現できそうである。