Keynote3を手に入れて、使った。昨年用意したパワーポイントファイルをKeynote2で読み込んで修正していた。土壇場でKeynote3を入手し切り替えた。この切り替えはふたつの点でかなりの覚悟が必要である。
Keynote3をインストールすると、iWork '06と云うフォルダが作製され、旧バージョンは削除されずに残るため、新旧二つのKeynoteを同時に起動することが可能である。但し、Keynote2で作製したファイルをダブルクリックすると自動的にKeynote3が起動する。(Keynoteについてを開いてバージョンを確認する以外にほとんど見分けは付かない)ファイルを保存する際に、
この書類は古いバージョンのKeynoteで作成されています。''保存'をクリックすると、古いバージョンのKeynoteでこの書類を開けなくなります。この書類のバージョンを維持するには、"ファイル">"別名で保存"と選択します。
「別名で保存」「キャンセル」「保存」
と云うアラートが出る。「別名で保存」ダイアローグにはiWork '05フォーマットで保存
というチェックボックスがある。「iWork
'05フォーマット」をKeynoteヘルプでみると、
iWork '06 で作成したスライドショーは、ほかのユーザが iWork '05 で見ることができるように保存することができます。
「iWork '06」の新機能である、3D グラフや表の書式などは、「iWork '05」でプレゼンテーションを開くと変換されるか、保存されなくなります。 オーディオやムービーファイルなどのほかの要素は、正常に再生されます。
iWork '05フォーマットとは、Keynote2形式のファイルのことらしい。
もう一つの厄介な点は、Keynote2ファイルをKeynote3で読み込むとレイアウトが崩れること。恐らく、同じ名前のテーマでも、新バージョンでテキストの行間や段落前後の間隔が手直しされたためと思われる。実際にはKeynote2で画面に収まっていたテキストがKeynote3で読み込むとはみ出ることがある。これは極めて拙い点。前回も触れたが、Keynote3はアニメーション設定の自由度が格段に上がっているので、レイアウトを確認して修正する余裕があるのなら新バージョンに乗り換える価値はあると思う。
いつのまにか、Keynote相手に無心になってプレゼン資料の修正に取り組んでいた。
結局、Keynoteを使うことになった理由の一つは、PowerPointのアウトライン表示のフォントの小ささに嫌気が差したというのもちょっとある。その点、Keynoteのインターフェイスは悪くないのだ。KeynoteはPowerPointファイルを読み込み可能である。PowerPoint形式で書き出しも可能であるが、完全な互換性とは云えないし、書き出しは少々面倒で時間が掛かる。PowerPointはKeynoteファイルを直接読み込むことが出来ないから、どっちにしようか、と思いながら何となくやっていると、Keynoteに誘導されるようになっている。一旦Keynoteを使い始めると、.keyファイルが溜まっていく。PowerPointに戻ることが難しい。
しかし、私はKeynoteを勧めない。いくつかのアニメーションのアクションが派手だ。PowerPointよりもスムーズできれいかもしれない。しかし、Keynote風の派手なアクションは、改まったプレゼンテーションで使うには気が引ける。それ以外の機能に関して、PowerPointを凌ぐものはほとんど無い。Keynoteの良い点はPowerPointでないこと。PowerPointオブジェクトの互換性の低さや、取り込んだ図表を勝手に伸縮させるような厚かましさがKeynoteには無い。
気がついたときには後戻りできない状況になっていた。もう覚悟を決めて使い続けるしかない。使い続けるという前提で、Keynoteの改善を望む点を、ポジティブに挙げていく。
ビルドインスペクタで、表示方法:「一件ずつ」を選択し、「要素に対して個別にタイミングを設定」をチェック。すると、リスト各行を個別に表示させることが出来る。各行の間に別のオブジェクトを挟むことも可能。「詳細設定」でビルドの順番を表示させて、「ビルドを開始」するタイミングを選べば、複数行をまとめてコントロールすることも可能。というわけで、私のやりたかったことは、おおむね出来るということです。「個別にタイミングを設定」はKeynote3から加わった機能のようです。(Keynote2ではやり方が分かりませんでした。)
失礼しました。恐れ入りました。Keynote2で悶々としていた人は、Keynote3でアニメーションを全面的に組み直す必要があるかもしれない。
こうやって並べたけれども、結構使えているのだ。結局一番の問題は互換性とテーマのけばけばしさ。もし、自分のパソコンが動かなくなったらどうしようという不安が常について回る。