構造化パワーポイントの勧め:2005-05-16

どうして、ワードデフォルトのフォントサイズが10.5なのか、誰にも答えは出せないだろう。マックのワードのメニューには10.5などという半端なフォントサイズは見あたらない(直接キーボードから入力すれば、設定は出来る)。私は全く馬鹿げていると思うが、デフォルトでそういった設定になっていることに、多くの人が何の疑問も抱かない。

話は変わるが、仕事でパワーポイントをよく使う。私は、アップル謹製のKeynoteというソフトも併用しているが、基本は似たようなもので、用途はプレゼンテーションの資料作りである。自分で資料を作り、講演に使う以外に、人のプレゼンテーションを見たり、同僚の資料にコメントしたりする機会も多い。

若干日本語の処理に問題を感じるが、パワーポイントはプレゼンテーションソフトとして大変良くできている。しかし、私が目にする多くのパワーポイントファイルは、折角作った資料を二次利用する配慮がなされていないために、利用価値が著しく低められている。これもちょっとした工夫というか、パワーポイントファイル作製の基礎(とりあえず、「構造化」という言葉を充てておく)を理解すれば、ファイルの利用価値は飛躍的に膨らむ。

宜しくないパワーポイントファイルの特徴を簡単に指摘しておく。

要するに、「白紙」新規スライドを次々に追加し、テキストボックスやパワーポイントオブジェクトを並べてスライドを作製していくやり方が宜しくない。こうやって出来上がるパワーポイントを「標準表示」でみると、アウトライン部分がのっぺらぼうである。それぞれのコマが独立して存在しているため、スライド全体の統一性を維持することは事実上不可能。ちょっとした変更を行うのに、絶望的な努力を強いられることになる。

パワーポイントファイルを構造化する手順を簡単に紹介しておく。ご存じの方は、ばかばかしいと思われるかもしれない。

手順としては、

  1. まず、一枚目(一般には表紙)のタイトルをアウトラインから入力し、全てのコマに(仮で構わないから)タイトルを用意し、アウトライン部分にタイトルを入力していく。アウトライン部分にカーソルを入れて、仮のタイトルを入力し、リターンキーで確定すると、自動的にタイトルを入れたスライドが必要なコマ数作られていく。
  2. 次に、それぞれのコマの内容に応じて、書式メニューから「レイアウト」を選択する。デフォルトでは一コマ目はタイトルスライド、ふたコマ目以降は箇条書きスライドとなるはずである。内容を吟味し、そのコマにじたレイアウトを「レイアウトメニュー」から選択する。テキストを表示させたいのであれば「箇条書き」を、図を表示させたいのであれば「画像」を選択する。以下同様に、全てのコマに、そのコマに適切なレイアウトを選択する。
  3. テキストを入力したいのなら、スライド表示の「箇条書き」部分をクリックし、テキストを入力する。画像は別に用意しておき、画像アイコンをダブルクリックして、作成済みのファイルを指定する。
  4. 背景色やフォントなど、スライド全体のデザインは、書式メニュー>「スライドのデザイン」で選ぶ。
  5. 細かなデザインの調整は、表示>マスタ>スライドマスタを選択し、フォントサイズ、背景画像などを変更可能で、こうした変は、全てのコマに自動的に適応される。

こうして作り上げたパワーポイントファイルは、デザインが統一されており、「スライドのデザイン」を変更することで、スライド全の変更を一括しておこなうことが出来る、という訳で、一度これをやると、もう、レイアウト欄がのっぺらぼうなパワーポイントファイルなど、使う気が失せることでしょう。