私は、アップル製プレゼンテーションソフト、Keynoteを所有しており、この中に何度も悪口を書いた。私がKeynoteにがっかりさせられた点を改めて思い起こしてみる。
パワーポイントと同等のことが出来た上でプラスα、という期待が大きすぎたのだろう。PowerPointの新バージョンを使った経験を元に、Keynoteを再評価してみたい。
アニメーションの設定は、Keynoteのビルドインスペクタがかなり直感的でやりやすい。私はマイクロソフト的ボキャブラリが貧困で、メニューに出てくる言葉が理解できないことが多い。アニメーションのエフェクトのメニューが並ぶが、何のことだかわからず閉口した。また、パワーポイントは、プレビュー画面を含む色々なパーツが妙に小さく、見づらい。Keynoteの表示はきれいだ。雰囲気は十分に個性的で、見るからにパワーポイントでないことを主張する。動作の重さに関しては、私の環境で、Powerpoint2004のファイル保存が異常に時間が掛かる。また、しばしば強制終了を経験した。マイクロソフト的なお節介も気になるし、長所であるはずのワードやエクセルとの共同作業も、私にはいささか期待はずれだった。
アップルから新バージョン、Keynote2が登場した。ウエブページに、Keynoteユーザの方は必ずお読みください。
との一角があり、アップグレードサービスのことかと思ったが、さにあらず。どうぞ、見捨てないで、とは書いていなかったが、色々直しましたのでよろしく、ということらしい。アップルも、Keynoteがユーザーの期待を大きく裏切った、という認識を持っているのだろう。残念ながら、従来のKeynoteユーザーに対するアップグレードサービスなどはアナウンスされていない。iWorkという名前で、新しいワープロソフトとセットで、しかも大幅値下げで提供である。新バージョン登場で、どこがどう変わったのか、注目点を、アップルウエブサイトから拾ってみる。
Keynote 2にアップグレードする必要はありますか?
Keynoteを使えばそれができるのです。スタジオで作り出される品質のアニメーション効果を文字ごとにも、単語ごとにも簡単に適用することができ、タイミングや方向、箇条書きのグループ化などを制御することができます。アニメーション作製のわかりやすさは、Keynoteの美点の1つだった。
別のスライドに移るためのリンクをスライド上のグラフィックに割り当てるだけでOKです。リンク先は、Webページや、他のKeynoteファイルにすることも可能。複数のプレゼンテーションファイルを関連づけることが出来る、と云うことらしい。パワーポイントでHTMLファイルにリンクさせようとしてうまくいかなかった(ウエブブラウザが起動しない)Keynoteは可能と云うことか?
アップルは20種類もの異なるテーマを用意しました。たった20種類という気もする。前バージョンは12種類で、個性的すぎて使えないものが多いと、私は感じた。
Keynoteでは、オリジナルの新しいテーマの作成は、既存のテーマに変更を加えるのと同じぐらい簡単です。ホントかな。
特に、別のスライドへの関連づけや、ウエブページをプレゼンテーションに取り込む部分に注目。パワーポイントでもウエブページへのリンクを設定できる。ローカルのHTMLファイルにリンクすると、ブラウザの代わりにDreamweaverが起動してしまい、使い物にならなかった。
というわけで、性懲りもなく、Keynote2に興味津々。アカデミック価格で購入を予定している。一段落のはずなのだが、なかなかヒマにはなりそうもない。