一昨年から、主に経済的な理由で帰省にフェリーを利用しています。

フェリー内

先ずは算数のプリント

海を眺める

気分転換中

かつて私が学生の頃に比べると、フェリーの旅は劇的に楽になりました。何しろ、高速船の就航で今や敦賀を深夜に出港してその日のうちに苫小牧に到着するのですから。

西宮でサイゼリアに入って晩ご飯を済ませてから、名神高速、北陸道をドライブ。すぐに寝られるように準備を済ませて乗船。興奮しているタンタンは出港の銅鑼が鳴るまで寝つかず。ずいぶん前から「フェリーに乗ったらトウサンと一緒に寝よう」と、云っていましたので、もうずいぶん大きくなって一緒に狭い寝台に入るのは一苦労なのですが、やむを得ません。幼稚園児は親が添い寝することになっているのです。

フェリーに乗り込むことは、さっきまでの現実から隔離されることを意味します。子供たちが寝静まったのを確認して、およそ20時間の現実逃避の幕開けを祝って妻と二人でビールで乾杯。まぁ、どうせ船の中で缶詰めですから、20時間を家族と自分のために奉仕する覚悟です。去年も同じようなことを書いていますが、要するに、丸一日、お互いに逃げ場の無い状態でエリポンの宿題を片づけようとするわけです。幸い、苫小牧行きフェリーには海を眺めながら自由に使うことが出来るテーブルがあります。

前日、コンビニで買っておいたパンで朝食を済ませて、エリポンは宿題に取り組みました。算数のプリント。エリポンが云うには「とけいとかさが苦手」なのです。普通の計算は何とかこなす様になってきましたが、12、24、60進法のミックスとなる時間と時刻、それから、リットルやらデシリットルなど、訳の分からない言葉が出てくる水のかさの計りかたが苦手、というか、出来ないわけで、プリントもそこら辺がゴッソリと空いていました。

教えたり、すかしたり、なだめたり、押したり、引いたりしながら空欄を埋めて行きます。ちょっとは理解したり、理解するためのきっかけをつかんで欲しいと思いつつやるわけですが。とにかく終わらせることも夏休みの宿題の要点の一つです。

さらに、読書感想文も片づけなくてはなりませんが、こちらの方は先ず読んでもらわなくてはなりません。読むことに関しては、教えるという訳にはいきませんし、ずっと手間がかかりますが、まぁ、フェリー向きの課題と言えるでしょう。以前にお姉ちゃんたちが読んで大変評判が良かった「長靴下のピッピ」を選びましたが、この本はエリポンがかつて手にした中で最も活字が小さくて挿し絵が少ないのです。本自体も新書サイズで、エリポンにから見ると、まるで大人が読む詰まらなそうな本です。もしかすると、本を読む楽しさに気付いてくれるかもしれないと、いくらかの期待をもってエリポンに勧めたのですが、エリポンはとりあえず本を開いて「これは私には無理」と確信しただけで終わってしまいました。

往路の20時間では読書感想文までは到底終わらず、仕方がないので、復路に持ち越しということになりました。


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