ここで言う互換性は、例えば、他社製のデータを読み込めるかどうか、というような建設的な話や、旧バージョンで作ったプレゼンテーションのフォントがずれるとかいう楽観的な話ではない。マッキントッシュ版オフィス(最新バージョン2004)そのものの互換性の話である。かなり手強い。講習会の資料(印刷物)をマイクロソフトワードを使って作製した。最近、ワードを使うときには、主にアウトライン表示で入力、編集を行う。アウトラインレベルを見ながら、文書の構成を練りながら書き進んでいく。大変メリットが多い。印刷イメージが必要な場合は、スタイル書式を設定するために、ページ表示とする。
アウトラインで編集するということは、文書の見出しを適切に設定するということである。念入りにアウトラインを決めると、後々の印刷イメージの書式設定も楽になる(はずである)。これは、ストリクトマークアップのHTMLと外部スタイルシートの関係に似ている。ただし、ワードの場合、外部スタイルなのか、内部スタイルなのか、私にはよく分からない。今ひとつ、理屈が分かっていない。
ワード文書とパワーポイントファイルの互換性が絶望的なほど低い(と私は感じた)。以下、ワードファイルをパワーポイントに移す方法に関する試行錯誤の記録である。
最初からそのつもりで居たので、ワード書類を作るときはアウトライン書式とした。スタイルの設定も適切におこなっていたつもり。パワーポイントのアウトライン表示にまともに変換できなかったので、かなりショックを受けた。
単純に、パワーポイントのファイルメニューからワード書類を選んで開くと、箇条書きの個々の項目まで全てスライドのコマに振り分けられてしまう。(行数分のコマが出来上がる)逆に、ワード のアウトライン表示でコピーして、パワーポイントのアウトラインにペーストすると、全て一コマのスライドに組み込まれる。
結果的に、読み込んだワードファイルは400コマ近いパワーポイントファイルに変身する。保存するにも大変な時間が掛かる。役立たず。それとも、私の無知か。
ファイルを直接読み込むことを諦める。ワードのテキストをコピペでパワーポイントのアウトラインに移していくことにした。
表示フォントと云っても、アウトライン表示のテキストサイズのこと。作業するには小さすぎて目が疲れるので、もう少し大きくしたいと思った。初期設定で表示フォントを選択することが出来ない。アウトライン表示に書式設定を有効にすることが出来る。なんだかとても馬鹿げている気がする。書式を有効にしてみたのだが、レンダリングに大変時間が掛かる。私のパワーブックでは非実用的なレベルとなる。諦めて、小さなフォント相手に目を凝らすことにした。
ワードからパワーポイントに文書をコピペで移そうとして悶絶。
ワープロは白い紙にプリントが原則なので、黒い色の(選択した覚えはない、勝手に黒くしてくれているのだと思う)小さなフォント(せいぜい12ポイント)である。ワードはこの設定をパワーポイントに引きずろうとする。
形式を選択してペースト>書式無しテキストで、1行ずつコピペ。ショートカット画設定されていない上に、オフィス2004(マック用最新バージョン)は、これをやると高い確率でパワーポイントが落ちる。この互換性の低さは、ただ者ではない。想像を超えている。ワードからコピペするより、プリントアウトイメージを見ながら、改めてタイピングの方が能率が良さそうな気がする。どうしていちいち、書式を引きずってコピペするのか?ワードのアウトライン表示とパワーポイントのアウトライン表示は別物で、互換性はないと、何処かに書いておくべきではないのか?目立つところに。
ワード書式を無効にして、パワーポイントの「デザイン」に設定された書式を有効にするためには、それぞれのスライドに、「スライドのレイアウト」から最適用を選択するとよい。設定パレット>スライドの変更>スライドのレイアウト、から適切なレイアウトを選んでダブルクリック、でも同じ結果が得られる。
テキストが長すぎるスライドの一コマを途中から分割し、二コマに分ける方法。
(参考資料:パワーポイントヘルプ、スライドのテキストを 2 枚のスライドに分割する)
色々と試してみて、とりあえず現状で一番能率の良さそうなワードで作った書類をパワーポイントに取り込む方法。
結構な手間ですが、これが一番能率がよいと思う。