夏休みの自由研究とパソコン活用(2005-09-06)

夏休みが終わりました。我が家の小学生達三人。それぞれに個性的です。自由研究に取り組ませました。パソコンがちょっとした役割を果たしましたので、今回はそのレポート。概要が、別ページ(育児日誌、#144-146)にまとめてありますので、ご参照下さい。まず、我が家の小学生達と自由研究課題について、簡単に紹介します。

というわけで、これらの自由研究を成し遂げる上で、パソコンがどのように役立ったか、と云う点に焦点を絞って紹介します。

研究とは

焦点を絞る、と言っておきながら、いきなり話が脱線しますが、「研究」と名前が付く以上、何でも良いから独自のものを作り上げる必要があります。だいたい、「自由研究」というタイトルがくせ者です。研究には指導が必要です。学校側が有る程度関与できればよいのですが、「自由」研究は、どうぞ勝手にやって下さい、という学校(指導者)側のエスケープと成りがち。夏休みというシチュエーションから、親が指導する立場に立たざるを得ません。

子どもたちの個性や能力を見定め、建設的で、なおかつひとつのテーマを調べてまとめ上げる、子どもたちに有意義な経験となるように指導しなくてはなりません。そこの所の責任を親が負うのです。落としどころを十分に配慮し、指導する側(親)、研究をまとめる側(子)、双方に興味深いテーマを選ぶ必要があります。徳穂さんが夏休みの宿題のヒントを色々とまとめていらっしゃいます。大変な力作。自由研究アイディア集は、なかなか面白いけれど、もう一ひねり。家の中で全部済ませてしまうのは、いかにも安直。外に出る勇気を持てば、選択肢はかなり広がると思う。徳穂さんのリソースの肝心なところは、「自由に研究する前に」、それから、「なぜ自由研究はつらいのか」。私も自由研究のテーマに理科を選ぶのは宜しくないと思う。既に述べたとおり、「研究」は、独自のものを作り上げる必要がある訳で、理科をテーマに選んで「本に書いてある通りにやったら、その通りになりました」、以上の結果を導き出すことはかなり難しい。生物の観察日記はポピュラーですが、「夏休み」という、スケジュールの都合などあり、意味のあるものを作り上げるには幸運が必要だろう。

とりあえず、動機付けを重視すべきでしょう。子どもたちに、「やってみたい」と云わせるテーマをひねり出すこと。そのためには、親自身が興味を持てるテーマを見つける必要があります。閑話休題。

インターネットの活用

長女の自由研究(戦争経験を伝える)は、三段階。すなわち

  1. 下調べ
  2. インタビュー
  3. まとめ

その中で、「下調べ」にインターネットを活用しました。(Category:戦争:Wikipedia)ねらいは、日本が戦争に突入した背景を学ぶこと。先立つ戦争経験が、次の戦争にどのように関与したのかを知ることです。Wikipediaは、専門的で難しい部分もありますが、十分満足のいく情報を提供してくれました。歴史背景は、親が概要を解説してあげる必要がありました。歴史の学習を進める上で、資料の中立性は重要な課題。Wikipediaはこの点でもかなり信頼できるものと感じました。また、リンクを辿り、調べていく上で、タブブラウザは大変有効。

Wikipediaは次女の惑星調べでも活躍しました。ボイジャーやカッシーニといった惑星探査によって、この分野の知見は日進月歩であるため、網羅的に調べるだけで十分にまとめる意義がある。このテーマに関しては、夏の星座の見つけ方を教えていたら、次女が興味を持って、自発的に取り組みだしたものです。図書館などで見つかる文献は、古いものばかりなので、インターネットによる情報収集が大変有効でした。

データのデジタル処理

もう一つ、自由研究に大きく貢献したのが、データのデジタル処理である。要するに、デジカメによる画像の記録、保存とプリントアウトのこと。まとめの作製などに、ワードプロセッサやパワーポイントなどプレゼンテーション用ソフトウエアが関与する余地はあったものの、資料が揃った時点で、むすめ達はそれぞれ各自が得意な方法でまとめ始めたので、結局全て手書き。その方がよいし、そうあるべきだと思う。

次女の夙川調べは、スケッチブック持参で、彼女自身がスケッチをしながら進めたのだが、私が同伴して沢山のデジカメ画像を撮影し、まとめる際に、記憶の確認、メモの補強として大変役に立った。手順は、iPhotoで画像を読み込んで、閲覧しながら取捨選択し、フォトアルバムにまとめてゆく。さらにインデックスとしてプリントアウトし、切り抜いて資料画像として貼り付けると云うもの。実際のまとめでは、次女は得意のイラストを多用したので、デジカメ画像はあくまで補助的な利用に留まった。三女の「海辺の生き物」でもデジカメ画像を同様に活用した。

画像を主な資料として利用するつもりなら、撮影そのものを子どもたちに任せたらよいと思うが、今回はあくまで補助的に使う積もりでいたので、全て親が撮影した画像を用いた。

プレゼンテーションとしての自由研究

手間と時間はまとめる方に掛かるが、調査の段階で自由研究の7割は終わっている。まとめの方は、ほとんど子どもたちが自主的に(除く三女)進めていった。ただ、人に見せることを意識するように、とだけ、アドバイスした。

ここでいう、「人」とは、担任教諭のこと、ではないのだ、実は。もちろん、担任は自由研究を見て、評価する筈だが、父兄を招いた展示会がある。そうなると話は別で、遠目に見た見栄が必要になってくる。作成段階でそこまで意識していなかったが、同じまとめでも、ノートやスケッチブックにまとめるより、ポスター形式にメリットがある。もちろん、重要なのは内容のはずなのだが、ちょっと考えさせられた。

長女のレポート