かつて、バスの中でも、映画館でもたばこ吸っている人がいた。教卓に灰皿を置いて授業している小学校教諭もいた。ちょっとした昔話から。
ながら族、などという言葉には良いイメージはない。既に死語か。私が子供の頃ラジオ聴取が流行し、ラジオを聴きながら、というライフスタイルに与えられた名称だったと思う。当時は深夜放送の全盛期だったかもしれない。ラジオを聞くために少年たちはわざわざ深夜まで(時間をつぶして)起きていて、明け方までラジオに耳を澄ませた。
当時の少年たちに、ラジオやフォークソングが大きな役割を果たした。近頃の少年、少女たちはもっと別なことのために夜更かしし、昼夜逆転の生活を送ったり、寝坊して叱られたりするのだろう。私はファミコン(古いか?)やビデオゲームの類に興味を持たなかったが、そういったゲームのコントローラーとか、麻雀とか、読書とか、パズルとか、人々が時を忘れて熱中することはいろいろある。選択肢はますます広がっている。良いことだ。
私が大学を卒業し社会人になった頃、NHKの衛星放送が開始され、深夜のアメリカ発プロスポーツ中継があって、私は熱中した。この頃の世界情勢は極めて緊迫しており、深夜に入ってくる各国のニュース(同時通訳)は大変迫力があった。私は、深夜の当直バイトをしたり、NBA中継を見てから釣りに出かけたりして、当時はタフだったと思う。昼間がどうでも良いなら、今でもそういったことが可能だろう。しかし、家庭と仕事がのしかかる身としては、一夜の寝不足にもかなり勇気が必要だ。
話がそれたが、「ながら」の話をする。深夜放送は私をラジオの周りに縛り付けた。当時のながらは、ラジオの前で何かする(大抵は、勉強の振り)ということだった。もちろんトランジスタラジオだから、持ち運ぶことは出来たはずだが、歩きながら聴く気分にはならなかった。音楽を持ち運びながら聴くという発想は1979年のウォークマン登場が発端だろう。ソニーのカセットプレーヤーの名前である。それまでも、ソニー製の小型カセットテープレコーダーはあった。少なくとも最初のウォークマンは、それらに比べて特に小型化されていたわけではないと思う。ただのカセットプレーヤーとウォークマンの大きなの違いは、
この三つだろう。自宅でオリジナル選曲のテープを用意して、ウォークマンと一緒に持ち出して聴くわけだ。それ以前のモノラルのイヤホンは音は貧弱だったし、耳の穴につっこむだけで着けた状態で歩き回ることが出来る代物ではなかった。(そういえば、ダイナミック型で耳掛けの付いた高級なイヤホンが前後して売られていたはず。私も持っていたし国際会議などで使われているニュースを見た覚えがある)ウォークマンに付属していたヘッドホンは耳当て部分のオレンジ色のスポンジをスチールでつないだオープンエア型で、これが標準的なイヤホンより遙かに音が良かった。
Wikipedia・ウォークマン(概要)から引用する。(強調は引用者による)
もともとはポータブルテープレコーダーの「プレスマン」から録音機能を省き、ステレオの再生に特化して誕生したものだった。初号機はその余った内蔵マイクや録音回路を生かし、外部の音を拾いヘッドフォンでモニタできるというホットラインと呼ぶボタンがあった。初号機はヘッドホンを2台接続でき2人で同時に音楽を聴くことができたが、相手に話しかける際にボタンを押すことで双方がヘッドホンを外さなくても会話できることから、2人を直接繋ぐ意味でホットラインと名づけられた。
携帯音楽プレーヤーの最大の弱点、すなわち、ヘッドホンを耳に当て音楽を聴くと聴覚が外部と遮断されること、を当時のソニーは十分に意識していたのだと思う。だからウォークマンはオープンエア型(ボリュームを絞ると外部の音が筒抜けで聞こえる)のヘッドホンを採用し、また、意図的に外部の音を拾えるような仕組みや、行動をともにする人とコミュニケーションを取るための仕組みを装備した訳だ。
オープンエア型のヘッドホンは、音漏れという弱点を晒し、せっかくのソニーの配慮はいつかしら等閑にされ、外部と聴覚による接触を断つことが携帯プレーヤーの特性の一つとして受け入れられてしまった観がある。長女にiPodを買い与えたとき、私は聴きながら歩くことを厳しく禁じた。耳をふさぎながら社会と接触を持つことの無防備さに敏感になってほしいと思った。要するに、「危ない」、そして、他の人の声が聞こえないのはたいていの場合無礼にあたる、ということだ。
月に二度ほど、仕事のために自宅のある兵庫県西宮市から東大阪市に出かける。天気が良ければ阪神高速をバイクで行くが、雨が降ると満員電車に揺られることとなる。
通勤時間帯の阪神電車に乗って、ほぼ満員の車両で吊革に掴まらずに立っていた。向かいの人が読む日経の記事が目に入った。この時間帯の車内は日経率が高い。大きな声で、パチンコ機械の論評をしあう二人。北斗の拳がどうのこうの、ラオウが出るとどうの。文庫本を読みふける人。漫画雑誌を眺める人。携帯電話をいじっている人は何かのゲームに興じている。耳にイヤホンを当てている人も目に付く。
漫画雑誌を見る人は、連載中のほとんどのストーリーと登場人物を把握しているのだろう。たいしたものだ。私も学生の頃は複数の漫画雑誌を読んでいた。自分で買うことはあまりなかったが。
梅田で地下鉄御堂筋線に乗り換え、難波で近鉄に乗り換える。御堂筋線はすし詰めだ。淀屋橋で大勢降りて、本町でさらに乗客は減る。車内を歩いて移動する人が多いのは、梅田駅のホームが混雑して身動きが取れないからだろう。下り線の近鉄は空いている。
帰り道は鶴橋から千日前線で野田阪神へ。そこから阪神急行に乗り換える。
改札から出ると、携帯電話を片手によそ見しながら歩く人が気に掛かる。何かに躓いたり、ぶつかったりする心配をする。
私は決して携帯電話をいじりながら何かすることがない。携帯電話を持っていないから。
同じ通路を歩くと、気を遣う。本人も、ぶつかりはしないか、躓きはしないかと。時々顔を上げて周りの様子を窺っている。
阪神電車には優先座席がある。ハンデキャップの人が優先的に座ることが出来る。私は決してその座席には座らない。子どもたちにも、座らないように指導している。「携帯電話はマナーモードで、通話はご遠慮ください。優先座席周囲では携帯電話の電源をお切りください、」とアナウンスしている。優先座席周囲では心臓ペースメーカーを使っている人などに配慮し、携帯電話に関わらずあらゆる電子機器の電源を切るという趣旨だろう。
一方、阪急電車には優先座席はない。すべての席が優先座席という発想である。携帯電話の扱いがどうなっているか。
マナーについて:阪急電鉄
- Q車内で携帯電話を使っていいのですか。
- A 阪急電鉄では、携帯電話の電源オフを望むお客様と電源を切ることのできないお客様の双方に配慮し、やさしい鉄道をめざして「携帯電話の終日電源オフ車両」を設定しています。また、それ以外の車両でもメールやインターネット機能はご利用いただけますが、周囲のお客様に配慮し、通話はご遠慮ください。なお、携帯電話はマナーモードに切り替えてご使用ください。
- Q駅での喫煙場所はどのようになっていますか。
- A 阪急電鉄では健康増進法の受動喫煙防止の考え方に基き、2003年6月より各駅の喫煙コーナー見直しと、全面禁煙時間帯の導入を行いました。まず、梅田駅や三宮駅などのような構造物に覆われ煙がこもりやすい駅や京都線地下線内の各駅、ホーム幅員の特に狭い駅などは終日禁煙としております。また、その他の駅につきましては喫煙コーナーを設置しておりますが、お客様で混雑する朝夕ラッシュ時間帯(7: 30〜9:00、17:30〜19:30)は全面禁煙時間帯として定めております。
- Q女性専用車両の導入について教えてください。
- A 阪急電鉄では、「人にやさしい、魅力ある鉄道サービス」の実現を目指して、京都本線の平日ダイヤ運行日の終日、2ドア車両で運行する特急・通勤特急・快速特急に女性専用車両(大阪側から5両目)を設定しています。土・日・祝日や年末年始、ゴールデンウィーク、お盆期間中などの土曜・休日ダイヤ運行日には設定していません。
つまり、阪急の優先座席は電源オフの必要がない。それにしても、阪急のいうところの、
という分類は妙だ。「電源オフを望む」とは、自分の所有する携帯電話のことか、それとも自分を含めたすべての人の話か。どっちだろう。電車に乗る数十分間「電源を切ることが出来ない」事情のある人も分からない。携帯電話には「留守番電話サービス」とか「メール」があるのではなかったか。携帯電話依存症のひとに配慮したという意味か?
私は電車に乗る間くらい電源を切っておけばいいのにと思う。電車の中まで携帯の電波に追いかけ回される人は気の毒だと思う。携帯をいじっている人や、メールの返事をしなくてはならない人は、どうかスリなどに遭わないように、ホーム歩行中に転落したり、私にぶつからないかと心配になる。
帰省の折に北海道旭川市の道北バスに乗った。途中のバス停から乗り込んできた中年の男性(いわゆる「おっさん」)が一番後ろの席に座り、携帯電話を使っていたところ、バスがなかなか発車しない。そのうちに、運転手が最後尾までやってきて、携帯電話の電源を切るように促し、そしてバスは発車した。普段バスには乗らないが、そこまで徹底しているものだろうか。
病院などでは、原則携帯電話の使用そのものが禁止されているところが多いと思う。医療スタッフは院内専用の携帯電話を持っている。医療機器と電子機器の関係は微妙であるけれども、これだけ電子機器がそこいら中で使われるようになり、技術も進んだのだから、そろそろ電波に影響されない医療機器や、医療機器に影響しない電子機器が当たり前になると良いと思う。
しかしながら、医療機器への影響が無くなると、いよいよ世の中は電子機器であふれることになるかもしれない。しかし、日常生活の中でどうしても電話をいじっていられない状況は存在する(はずだよね)。私は現状が「行き過ぎた自由」と感じている。何となく偽善的な印象を持っいる女性専用車両もなんだか変だと思う。近い将来、様々なマナーが整理され、世の中の仕組みの成熟が進むと思う。
Windows版だけじゃないOfficeの脆弱性(Okumura's Blog)経由。
へぇ、知らなかった。さっそく、Microsoft Autoupdateを起動したところ、以下の表示に出くわした。
- Office 2004 11.3.0更新プログラム
- Microsoft Office 2004 for Mac 11.3.0 更新プログラムは、Office 2004 の脆弱性を改善します。これにより、攻撃者が Office 2004 のファイルを使って、あなたのコンピュータのメモリを悪意あるコードで上書きすることができなくなります。また、この更新プログラムには、以前にリリースされた Office 2004 更新プログラムの全ての改善点も含まれています。
えーっと、今やっても大丈夫かな?この後ワードが起ち上がらなくなると、とても困るんだけども。と思いつつちょいと調べると、詳しい情報は、Microsoft AutoUpdate: 詳細情報にあったのだが、まぁ、いろいろと書いてある。
サポートページhttp://support.microsoft.com/default.aspx?scid=fh;JA;Mac04Officeは、酷い豆文字だ。
インストールしたが、とりあえず起動したし、大丈夫な感じだ。
というわけで、追記したいと思っている。(結局、追記せず)