提出書類の作成中。ワードと格闘。
決まったフォーマットに従って書類をつくるということが良くあります。紙に印刷して、完成なのです。様式は厳密に守らなくてはなりません。数年前なら、所定の用紙をコピーして、ワープロを使って枠にキチンと入るように苦労して印刷していました。人によっては、印刷した紙を用紙に切り貼りし、それをコピーして提出。このやり方の方が普通かもしれません。
私はこれに関してかなりの技術を持っていると自負しております。所定の用紙の寸法を測り、マージン、罫線の位置をしっかりと決めてワープロでそっくりそのままの表を作って、その中に打ち込んでゆきます。表の罫線を非表示として所定の用紙に直接印刷すると、見事に枠内に内容が収まります。コツとしては、予め念入りに所定の用紙のサイズを測ること。コピーを取るときにずれると台無しですから、用紙はまっすぐに、ある程度の枚数をまとめてコピーすること。試し刷りをして、2−3回マージンをアジャストしてやれば、大抵はぴたりと用紙を埋めることが出来ます。書式を決めてから内容を打ち込んでゆくことになりますので、切り貼りをするよりも、慣れると遙かに能率的です。
上手に作る技術を持っているのですが、なんだか空しいものがあります。IT時代で、あらゆる書類の作成に、「ワープロ等で作成」、と、注意書きがあるのですが、枠に収めようと苦労するのは、やはり非能率的です。ちょっとくらい所定の様式と違ったって、「イイじゃん別に」、という気分になります。
こういった作業の能率化は、我が国の競争力を高めていく上で重要と思います。たかが一行、枠に収めるために、有能な技術者が貴重な時間をずいぶんと無駄にする様を想像してください。申請書類や、報告書というのは、要は中身なのですから!
ちょっと前から、誰かが所定の書式をワープロソフトで作り、書類作成者がそれをダウンロードし、直接書式の中に書き込んでいき、最終的にプリントアウトする、というやり方が普及し始めて、今回もそのケースです。
書式を作る人は、PDF、マックのワード形式、ワード95-98形式、ワード2000形式に加え、一太郎8.0と都合5種類の所定用紙を作って、ダウンロード出来るようにしてくれています。ファイルの作成はもしかすると仕事としてやっているのかもしれませんが、少なくとも、あらゆる人にダウンロード可能にしている部分はボランティア精神のたまものでしょうから、使わせてもらっている立場としては、文句を云うのは申し訳ないのですが、、、
この中で、私が使えそうなのは、PDFと、マック・ワード形式ですので、その二つをダウンロードしました。実際に書類作成に使うのはワード形式、書類の書式を確認するために、PDFを使う積もりです。それ以外に、書類の記入要領などもPDFでダウンロードしました。
作成する書類は13ページあり、全面がテーブルで括られています。書式に関してかなり厳密に守らなくてはならないので、書式を崩さずに全てを埋めて行かなくてはなりません。ワードの表の扱いにくさに閉口させられます。とにかく、表を含んでいるワードの動作が遅いのにうんざりさせられます。同じ書類を作っている同僚は、パワーブックG3にOS8.6、ワード2001という組み合わせで始めましたが、あまりの遅さに業を煮やし、職場で共用しているウインドウズパソコンを使うことにしたようです。同僚はウインドウズを使いながら、変換効率が良い、と驚いていましたが、随分古いコトエリを使っていらしたから。
予め作られている表のマス目のサイズを変えてはいけません。内容が長すぎると、はみ出た部分は枠の外に出てしまって、カーソルで選択できません。元の書式を作った人が、フォントや段落をどのように設定しているかが分かりません。なかなか手強いです。もちろん、書類は内容が重要なはずですが、印刷イメージがインターフェイスになりますので、見かけはやはり重要なのです。
また、ワードの箇条書きが手強いのです。箇条書きの入れ子の作り方、そして、書類の中には2ページに跨る欄があります。各々のページには、二つの独立した表があるわけで、別々の表の2カ所のマス目に連続した内容を入れるときに、番号つきの箇条書きの扱いがどうなるかご存じでしょうか?実は、連続したものとして扱ってくれるのですが。それでは、逆に別の箇条書きとしたい場合はどうするか?この辺のところは、トライアンドエラーで、やってるうちに何とかなるという感じなのですが、まぁとにかくややこしい。
現実的には、直接入力してゆくより、テキストエディットやワードの別書類でまずは内容を編集、推敲し、それを書類の中に貼り付けて、それから書式設定で体裁を整えると云うやり方が良いと思う。書式を設定するときには、元々のフォーマットを変えてしまわないように注意する必要があります。
とかく、書類を作ることを求められるのです。ただ単に、任意形式で報告書を作る場合は、ワードプロセッサが最適でしょう。しかし、書類の多くは、決められた書式の表を埋めるやり方です。ワードもずいぶんと色々なことが出来ますので、まぁそれなりですが、それでも裏技的なテクニックが求められ、内容以外、要するに、見栄えを規定に合わせるために試行錯誤が求められます。これは本当に時間の無駄と思う。また、表を扱うときのワードの動作の遅さは致命的です。
こういった書類は、ワープロ普及以前の書類作成の流儀をそのままにして、ワープロの機能で摺り合わせているのです。当然様々な無理が生じ、無理は結局、時間と労力の大きな無駄を生じています。私が今作っている書類は、大げさな話ではなく、数万人の日本中の様々な分野の研究者たちが同じ書式で取り組んでいます。誰かが、「学者馬鹿」と指摘して物議を醸しましたが、多くの同業者たちは、ワードが勝手に箇条書きを設定してしまうのに苦慮したり、ワードの「スタイル」設定など、一度も使ったことがない人たちです。少子高齢化、先細り必定の日本国を立ち行かせるには、社会の効率を少しでも向上させる必要がある。お国はIT化を標榜しているようだが、文部科学省、学術振興会は、大昔の流儀そのままの書類の書式を提示しているだけ。ワープロファイルは、個々の研究施設のボランティアの事務員さんが作っている。これは些細な例かもしれませんが、書類作成に掛かる無駄な時間、労力は、日本の科学技術発展のために、大きな損失で、このやり方が如何に馬鹿げているかという認識を持っていただきたいと思う。毎年、数万人の科学者たちが苦闘する書類の作成くらい、ワード頼みではなく、専用のソフトを用意したらいいのではないかと思う。
アップルのノート型パソコン、iBookが新型に。一緒に地味ですが、eMacもお値段が新しくなったそうです。
iBookの方は、G4プロセッサとなり、124,800円 から。12インチと14 インチモデルがありますが、モニタの解像度は同じらしいので、選ぶとしたら小さい方という気がします。ひとつ前のiBookが職場にあるので使ったことがありますが、何とも安っぽい感じで、とくに、液晶のヒンジが動かすたびにギシギシと唸るので、がっくり来ました。余り興味はわきません。新OSがインストール済みとのことです。
書類をつくらねば、、、