おやこニュース:育児・学校・生活に関する情報
チャイルドシートは育児の必需品です。慎重に選ぼう
道路交通法が改正され、チャイルドシートの使用が義務づけられることになりました。確か、6歳未満の子供を車に乗せるときに、体格にあったチャイルドシートを着用させることが運転手の義務となったのです。私たちは米国でチャイルドシートを既に経験していました。そして、その必要性は十分に理解していましたが、私は日本の道路交通法改正には反対でした。チャイルドシートの装着はコストを伴います。色々と不都合を生じます。大人のシートベルトを含めて、自分の身を守ることは「義務」ではなく、自分の判断で行うべきだと思うからです。まずは、準備期間として、チャイルドシートの安全性、というか、こどもを車に乗せることの危険性を充分にピーアールして、もう少し普及に努めてから、義務化でも良かったのではないかと思うのです。我が家では3人同時にチャイルドシートの装着が義務づけられることになります。7人乗りの車なので、何とかなりますが、小さな車に乗っている人は、車を買い換えなくてはならないでしょう。別のご意見の方もいらっしゃると思いますが。
米国で長女を出産しましたが、カリフォルニアではチャイルドシート着用がすでに義務化されており、体重40ポンド(おおよそ18キログラム)以下の子供が対象になっていました。小学校に上がるくらいまでということで、これは日本とほぼ同じです。出産して、退院するときに、チャイルドシートを持参しないと、赤ん坊を渡してくれないそうで、出産準備のひとつとして、チャイルドシートは必須です。ゆりかご式のものをターゲットという日用品の量販店で購入しました。45ドル(当時のレートで4〜5千円)ほどだったと思います。
赤ん坊をかごに入れて、肩からまたの間を通すベルトで固定。かごについた溝に車のシートベルトを引っかけて、車のシートに固定するという仕組みです。車から降りるときは、シートベルトを外すと、かごに入れたまま赤ん坊を持って歩ける訳です。かご自体がかなりの重さがあるので、こどもをチャイルドシートに入れて連れ歩くというのは余り現実的ではありませんが、チャイルドシートの底面に米国のスーパーマーケットの買い物カートにはめ込む溝がついていて、買い物は、赤ん坊をチャイルドシートに乗せたままで出来るようになっていました。また、レストランなどに寄るときも、かごに赤ん坊を乗せたまま車から出して運ぶと、運転中に眠った赤ん坊を起こさなくていいし、まだほとんど動けない赤ん坊をちょっと置いておくのに、なかなか便利な代物でした。
ゆりかご式。駐車場からちょっとの距離なら持って歩けます。重いですけど。地べたに置くことが出来るので便利。赤ん坊は車の中で寝てしまいますから、むりに起こさず、寝かせたまま運べます
半年くらい過ぎて、赤ん坊が大きくなると、かご式のものは、少々窮屈そうになってきます。次に使うのは、補助いす式(?)のものです。色々なタイプがあります。本当にいすのような形をしたもの、これはシートベルトで固定したイスに座らせて、それをチャイルドシートについているベルトで固定するもの。立派です。知り合いの方に頂いて、しばらく使っていました。それから、こどもの前につっかえ棒のような形の、、えっと、なんと言ったらいいんでしょう?まぁ写真を見て下さい。
通せんぼ式とでもいいましょうか。これはこどもの体にベルトを掛けるのではなく、通せんぼのところをバックルで開かないように固定する方式です。どっちがいいかといわれたら、、安全面ではどうなのでしょう?前者は、バックルの固定が不十分だと、全く役に立ちませんが、後者はバックルが不十分でも一応固定は出来ます。また、前者は肩をベルトで固定、後者は腹から胸をつっかえ棒で固定。肩を固定した方が安全な気がします。安全面以外では、後者はリクライニングが簡単(車のシートを倒せばいい)。手頃なサイズで、車の中で場所をとらない、外してしまっておくときにも有利、多分値段も安い、など、使い勝手は、通せんぼ式の方が上だと思います。あと、補助イス式は、大抵は補助イスの下にベースがあって、それをシートベルトで固定するようになっているので、座面が高い。運転者の後方視界に問題が出るかも。それから、重心が高くなるので、事故の時の安全面でも少々問題があるかもしれません。あと、バックルがこどもの手の届くところにありますから、勝手に外してしまわないか、少々心配です。
チャイルドシートに何を期待するか、、これがとても難しく、迷うところです。 車の安全には二通りある。つまり、アクティブセーフティとパッシブセーフティ。アクティブというのは、安全運転するための色々な装備など、パッシブは、事故が起こったときに、怪我などを防ぐということです。
こども用品の売り場に行くと、ビックリするような、立派なチャイルドシートが並んでいます。衝突安全性を考えて、値段も、驚くほど。事故が起こったときに、赤ん坊の脳を守るとか、なんとか、、、チャイルドシートは子供のサバイバルセルとなりうるのか?そのような期待をしていいものなのか?豪華で高価なものを見ると悩むのです。今や小子化時代、こどもにかけるお金に糸目を付けない、ましてや安全に関わるものだし、、、と言う家も増えているのかもしれません。もちろん、わが家はそのようなものは買いません。しかし、事故が起きたときに、あの立派なチャイルドシートにしていれば、助かったのに、、、なんてことがあるかもしれませんし、そこのところは各人の責任で選んで頂くしかないと思います。
しかしながら、私が車の運転で重視するのは、むしろアクティブセーフティの方で、これはチャイルドシートは重要な役割を果たすわけです。つまり、運転中にこどもが泣き叫んだり、チャイルドシートから抜け出そうとしたら、落ち着いて運転など出来ません。また、チャイルドシートに乗っていないこども、特によちよち歩きの赤ん坊は、簡単に座席からごろんと落ちます。こどもがきちんと固定されていないと、いざというときに急ブレーキを踏めません。また、ドアを開こうとしたり、窓を開けようとしたりするかもしれません。アクティブセーフティを考えると、私がチャイルドシートに求める一番の点は、簡単で、しっかりとこどもを固定できること。比較的長時間でもこどもが嫌がらないこと。勝手に抜け出せないこと。以上3点です。こどもが嫌がらない、云々は、チャイルドシートの功罪というより、むしろ、親のしつけの問題と言う側面があります。あとは、値段と装着するスペースの問題は、それ以前にありますが。
如何に立派なチャイルドシートを用意したところで、車に積まないと意味はないし、こどもがそこに座ってくれないと、タダの場所ふさぎです。車に積んで、こどもを座らせたところで、固定(車への固定とこども自身の固定、二カ所)方法が間違っていると、却って危険な場合があります。選ぶときは十分悩んで納得したものを選ぶにして、問題はそこから。うちも長女の時はなかなか座ってくれず、苦労した覚えがあります。妥協しては行けない。断固として、チャイルドシートから降りるなら、車から降りてもらうという、厳しい姿勢を見せると、そのうちに文句を言わなくなると思います。車に乗ったらチャイルドシートに座ることを習慣づける努力が重要なのです。また、こどもは自分でロック出来ませんから、親が面倒にならないような、シンプルなものが好ましいのではないでしょうか?
まずは事故を起こさないこと、そして常時チャイルドシートに子供を座らせること。これが結構むつかしいことなのです。