ダイアリ:いっしゅんの一コマ@おやこニュース
貰ってきた幼虫がヤケに大きかった件。
我が家のベランダにキンカンの鉢植えが置いてあります。日当たりは良いのですが、何だか元気がありません。ナミアゲハが寄ってきて、卵を産み付けますので、そのうちにキンカンの葉は丸裸にされてしまう筈なのですが、元気のないキンカンの葉を食べるアゲハの幼虫も何だか元気がありません。三匹いたはずの幼虫は、いつの間にか姿を消してしまいました。実は、枝の途中には蛹化不全で死んだ幼虫がぶら下がっています。タンタンはアゲハの幼虫の死骸が恐くて、その後のキンカンの鉢植えを観察することを止めてしまいました。その代わり、以前住んでいたアパートの近くにある知り合いの家の庭に出向いて、そこの柚子の枝についている幼虫を貰ってきました。勿論、柚の木にとってアゲハの幼虫は害虫ですので、その家の奥様は駆除しようとしていたのです。そこにタンタンがやってきて、幼虫をくださいと言うものだから、それでは、と2匹の幼虫を飼育ケースに入れてくれました。
頂いてきた幼虫を見ると、一匹は見慣れたナミアゲハの幼虫。もう一匹は妙に大きい。普通の幼虫の倍はありそうです。見た目はナミアゲハの幼虫によく似ていますが、よく見るとボディに白いスジが入っています。どこかで見覚えがあるような気がして、図鑑で調べてみると、どうやらナガサキアゲハという別の種類のようです。元々は暖かな地域に生息する南洋系の蝶ですが、このところの温暖化で生息域が広がってきているそうです。ナガサキアゲハの名前の由来は、シーボルトが長崎で最初に採集した蝶であることに由来しているとのことで、由緒ある名前です。
巨大な幼虫は思いの外元気が無く、そのうちに動かなくなってしまいました。(前蛹と言うようです。)それからサナギになったのですが、何となく色が良くないし、派手に大きかった幼虫の頃と比べるとどうも元気がありません。蛹に元気も何も無いのかも知れませんが、オオクワガタの蛹はとても活発に動き回りますので、ビクともしないうえに黒っぽく変色してしまった蛹に、何となく不安を感じていました。そんなある日、ナミアゲハの蛹が羽化しました。その瞬間は見られず、私たちが気がついたときにはもう羽を伸ばして、今にも飛び立ちそうでした。タンタンは外に連れて行って巣立たせました。
ナガサキアゲハの方は、どうも諦めムードが漂っていたのですが、数日後、飼育ケースの中に大きな黒い蝶が留まっていました。突然蛹から出てきたのです。後翅に尾がないのがナガサキアゲハの特徴です。また、後翅に白い模様が入っているのはメスの証拠だそうです。
ベランダのキンカンの木に留まらせていたら、直ぐに巣立っていきました。温暖化の影響は身近なところにも現れています。