パソコンを使いこなす上で、作業効率は重要なテーマです。キーボードやポインティングデバイスを選ぶことは、作業の効率を上げる上で重要なことです。ポインティングデバイスに関わる作業効率とは、以下のようにまとめられると思います。
例によって、マッキントッシュコンピュータ、しかも、OSXを前提としたお話になると思いますので、ご注意を。
私が使い始めるはるか以前から、アップルはマッキントッシュにワンボタンマウスを採用していたらしいです。私がマックに乗り換えたとき、Classic IIという一体型パソコンを手に入れたのですけれど、本体にマウスは付属していましたが、キーボードは別売だったような気がします。
それ以前に使っていた、いわゆる98では、一応マウスをつなぐことが出来るようにはなっていて、実際につないでいましたが、一太郎とロータス123を使う限りは、マウスの有難みはほとんど無し。パソコン本体の裏側で埃を被っていました。当時は全てキーボードから操作するのが当たり前だったはずです。今となってはキーボードだけでどうやって操作するのか、少々不思議な気分です。
最初に手にしたマックには、角形のワンボタンマウスがついていました。その後、アップルのマウスは丸みを帯びたデザインになり、それから、iMac、G4の饅頭型丸マウス、そして現在の光学式プロマウスとなった訳ですが、実用性という観点で、最初の角形マウスが一番優れていると思います。
マウスにとって、ボタンはでかければいいというものではありません。角形マウスは、適切な大きさのボタンがマウスの上面にありました。丁度人差し指が掛かる場所で、ボタンを押すには何も不自由はしません。次に登場した丸みを帯びたマウスでは、ボタンはマウス本体の前三分の一程度を占める大きさになりました。マウスを動かしていて、机の上の何かに当たると、不意にボタンがクリックされてしまうのです。饅頭型マウスに関しては、全く問題外。持ちにくく、押しにくく、どっちを向いているのか分からない、悪い冗談のような最低の道具でした。最新のプロマウスはマウス全体がボタンという発想ですが、とうてい押しやすいとは思えません。
私がトラックボールに興味を持った理由は、今となっては覚えていません。トラックボールの利点は、場所の制約が少ないこと。多分、机の上を片付けるのが苦手な私にとって、必然的な選択だったのでしょう。
トラックボールはマウスの代わりになる道具です。マウスをひっくり返したような構造で、ボディの上に大きめのボールが収まっています。ボールを指で動かし、その動きをローラーで関知してポインタを動かします。クリックするためのボタンも付いています。操作法は、ノートパソコンのトラックパッドとほとんど同じものです。一般論として、トラックボールの利点と欠点をまとめておきます。
私が初めて手に入れたトラックボールは、確かロジクールというメーカーのものでした。割とちいさなもので、人差し指でボタンをクリックし、親指でボールを動かす様になっていました。ボタンはひとつです。発想としては、アップルのワンボタンマウスをそのままトラックボールに置き換えるということです。ボールが落ちないように、ねじ込み式のリングで押さえる所まで、マウスそっくりでした。これはボールが小さく、クリアランスが少ないために、頻繁に手垢で動かなくなり、ボタンも押しやすいとは云えませんでした。
Kensington社製、「マウス」という名のトラックボールはアメリカで手に入れました。100ドルほどしたはずです。決して安い買い物ではありませんでした。大きなボールが、お皿の上に乗っているだけ。ボタンは左右に二つ。左右のボタンに親指と薬指を掛けて、人差し指でボールを転がすのが標準的。MouseWorksというユーティリティが役に立ちます。何より、TurboMouseの良さは、ステンレスローラーと大型ボールによる極めてスムーズなボールの転がり方と、ボタンのクリックが軽快であることです。これを使った後、私はトラックボールのとりこになりました。
TurboMouseは職場で使っておりました。自宅にG4を導入したとき、饅頭型マウスに手を焼き、しかも接続がADBからUSBに変わったため、今までのマウスを使うわけにゆかず、新しく、Orbitというトラックボール(2ボタン、USB仕様)を手に入れましたが、これは余り出来の良くないもので、いろいろと、つまり、作業効率にどれほどお金を掛けるべきかを悩んだ末に、現在はTurboBallをパワーブック用に、ExpertMouse ProをG4用に使っています。ADB接続のTurboMouseは既に引退させました。
私が普段パワーブックといっしょに持ち歩いている、Kensington社製のTurboBallについて、レポートします。
コガネムシやダンゴムシを連想させる形の、トラックボールです。大きめのボールと4つのボタン、スクロールホイールがついています。左右対称の設計なので、左利きの人も使うことが出来ます。カーソルの動きやボタンの操作は、MouseWorksというユーティリティソフトで設定できます。日本ではもう市販はされていないようです。
手に馴染む大きさです。左の二つのボタンは親指で、ボールは人差し指と中指をボールに掛けて、右の上ボタンを薬指で、右下ボタンは小指でクリックします。スクロールホイールは親指を使っています。手にすっぽり収まる大きさなので、このポジションから手を移動する必要はありません。
ボールは直径5センチほど。三つの支点で支えて、二つのゴムローラーを回す仕組みです。動きのスムーズさは、ステンレスローラーのExpertMouseよりはかなり落ちます。
支点に手垢や埃が溜まりますので、時々綿棒などで掃除する必要があります。ボールは落ちないようにノッチに引っかけてありますが、取り外すのは簡単です。ボタンの位置は自然と指が乗る場所にあり、タッチも良好ですが、左右の下のボタンは、机の上のものが当たる場所、意図しないクリックになることがあります。ガードがついているといいのですが。
結構厚みがあるので、持ち歩く時は鞄が膨れます。裏面はゴム足が5つ。割と簡単に取れてしまいました。ぐらつくととても使いにくいので、マイホームセンターでゴム足を買ってきて付け替えました。
TurboMouseの後継機種ということになると思います。
これを本当に使いこなすには、相当手が大きい必要があります。四角いボディは丸みを帯びたデザインになっていて縦長の座布団風です。その中央に大きなボールが乗り、ボールの周囲に4つボタンが配置されています。スクロールホイールはボールの向こう側中央。さらに奥にダイレクトラウンチボタンが横に6つ並んでいます。左右対称設計なので、MouseWorksでボタンを設定すると、利き手に関係なく使うことが出来ます。右利きの前提で、話しを進めます。
左手前のボタンに親指を置き、ボールに人差し指と中指を掛け、薬指を右奥、小指を右手前のボタンに置きます。左奥のボタンは人差し指で押しますが、手のポジションを変える必要があります。大きなボールが邪魔になり、奥のボタンやスクロールホイールに指が届きにくいのです。巨大な手を持つ人なら、ボールを手のひらで動かし、人差し指と薬指を奥のボタンに掛けるのかもしれません。というわけで、四つのボタンを使いこなすという意味では、TurboBallの方に軍配が上がります。
ExpertMouse Proの素晴らしい点は、ボールのスムーズな動きです。これを支えるのは、ステンレスローラーと大きめなボールです。気持ちよいほど良く廻ります。また、ボタンのクリック感も軽快で良いです。ボタンが座布団の上面に付いているので、何かが当たって不意にクリックされることも余りありません。
大きすぎます。かなり場所を取ります。ノートパソコンで使うには持ち歩きも大変でしょう。左奥のボタン、スクロールホイールが遠すぎて、使いにくいです。手前の二つのボタンを使うだけなら問題は無いのですが。ダイレクトラウンチボタンは不要です。というか、我が家では赤ん坊が押して遊ぶので、むしろない方がいいです。ダイレクトラウンチボタンが無いタイプにはスクロールホイールが付きません。
このタイプにとっては、とにかく、素早くスムーズにカーソルが動く。そこが大切な点ということです。
動きが渋くなったらメンテナンスします。
ボールを外しメンテナンス。
時々七陽商事、Kensingtonのサイトをチェック。MouseWorksソフトウエアのバージョンアップがあるかもしれません。(最新のバージョンは2.3で、6/11/03にアップデートされています)
子供がボールをオモチャにしようとします。ボールが行方不明になると役に立ちません。解決策は現在模索中。しつける以外に無いかも。
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