ブックマークコメント(2006-12-03)

WWWは美しい網目模様を描いて、興味深いドキュメントを紡ぎ、読者を包み込む。私のような無愛想な者でも、いつの間にかWWWの網の目の中で誰かと結びつけられてしまう。その一つはアンテナ補足である。興味深い記事を読んだら、その作者が次に書くことに興味を持つ。私はあなたが次に書くことを注目しています、という意思表示がアンテナだ。だから私のアンテナは「出入りの激しいアンテナ」を標榜しているが、入れるも外すもかなり慎重だ。そして、リストに入れたからにはマメにアンテナ経由でアクセスするようにしている。それが、被捕捉サイトの管理者にリスペクトの意思表示になると思うからだ。それから、引用・トラックバック、コメント、BBSの投稿。これらは記事の内容に関する直接的なコメントとして、ウエブ上に公開されるから、目にしたらそれに対して反応したらよい。

さて、ブックマークである。大変感度の高い人が居る。私など、決まり切った巡回コースをぐるぐる回るばかりで、さしたるトピックを見つけられずにいる。どこかしら、びっくりするような話題を見つけてくる人が居る。たいしたものである。そういう人のブックマークを「お気に入り」に入れておくと、余り苦労せずに興味深い話題を手に入れることができる。それ自体は何も問題はない。ブックマークは公開、非公開を選べる。

他人のブックマークをお気に入りに入れるということは、かなりのことである。その人が一日ウエブ上で歩き回った後を辿ることが出来るわけだ。場合によっては極めて貴重な情報である。例えば、私は2ちゃんねるをほとんど見ない。見方が分からない。膨大なスレッドの一覧から、自分の興味の対象になりそうな板を見つけられそうにない。その道に詳しい人のブックマークをお気に入りに入れればよい。ある人のブックマークをお気に入りに追加することは、相手の膨大な努力の成果を勝手に使わせて貰うことで、アンテナ追加以上にお互いの親密な関係を意味するように私には感じられる。

ブックマークのページには「お気に入りに登録」しているユーザー数の表示がある。私は二人のブックマークユーザーをお気に入りに登録している。そして、私のブックマークをお気に入りに登録しているユーザーも一人いる。誰かは知らない。しかし、中には数百ユーザーからお気に入り登録されているブックマークがある。数十のブックマークをお気に入り登録しているユーザーもいる。ある人が見つけてくる話題の一覧を登録するアンテナのようなものである。その結果起きることは、感度の良い誰かがあるドキュメントをブックマークの世界に引きずり込んで、それをお気に入り登録しているユーザーで共有することである。大量のお気に入り登録から入ってくる膨大なブックマークを全部見て回るわけにも行かないだろう。選別する手がかりは、タグとコメント、お気に入りユーザーを区別するFavicon、それにブックマークユーザーの数である。ユーザー数が多いということは、そのページが現在「炎上中」である可能性が高いことを示している。

ブックマークユーザー数をクリックしてブックマークの詳細を見る。タイトルにサマリー、そしてスクリーンショットにタグのリスト、そして最後に、「このエントリーをブックマークしているユーザー」名とそれぞれのユーザーの付けたタグとコメントが一覧になっている。なにやら、固定ハンドルネームで一度だけ書き込みが許されている掲示板のような趣である。何を書こうが自由である。一度だけの書き込みだから、論議になりにくい、というか論議が成り立たない。私は自分のエントリのブックマーク詳細を見たが、なにやら理解できないようなタグやコメントがあると、どうしたものか、と困惑する。

言及されること自体は嬉しいけれど、ブックマークコメントとにどう取り合ったらよいか分からない。だいたい、エントリの詳細ページを誰が管理しているのか分からない。管理責任のはっきりしないページに書かれていることに、いちいち反応しても仕方ないように思う。はてなダイアリでは、自分のエントリに被ブックマーク数を表示したり、ブックマークコメントそのものを表示させることも出来るようだ。そういう風に積極的にブックマークとコメントをエントリの作製に利用することも一つの手だ。

何を書こうとその人の自由だけれども、コメントを書き込む人は、エントリの詳細ページの管理責任をどのように捕らえていらっしゃるのだろう。何十というブックマークが付いて、並んだコメントやタグの中に否定的や意味不明のものを見つけると、エントリを書いた方はやり場のない気分になる。対処する方法は「見ない、気にしない」あるいは「慣れる」ことだろう。